【映画で語ろう】カムシネマ★3分で語れるようになるポイント【ネタバレあらすじ】

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3分で映画『残虐全裸女収容所』を語れるようになるネタバレあらすじ

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残虐全裸女収容所

基本データ・おススメ度

『残虐全裸女収容所』
原題:The big bard cage
1972年 アメリカ
製作総指揮:ロジャー・コーマン
監督:ジャック・ヒル
出演:パム・グリア、アニトラ・フォード、シド・ヘイグ、キャンディス・ローマン、キャロル・スピード
 おススメ度★★☆☆☆(2/5)
『B級映画の帝王』ロジャー・コーマン指揮のもと、ジャック・ヒル監督、主演・パム・グリアという布陣は、のちのタランティーノ映画『ジャッキー・ブラウン』につながる流れ。内容はまるっきりのB級映画丸出し。5分に一回は無意味におっぱいが露出されるちなみに、まったく残虐でもなければ全裸でもない。全体に流れるおバカっぷりに脱力必至。

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◆目次

 

あらすじ(ネタバレなし)

 ある南の国。ジャンゴ率いる革命団がクラブバンドを装い、店の客から金品を強奪。追ってきた警察からジャンゴたちは逃げたが、人質で連れ去れられただけの白人女は共犯者と間違われ逮捕され、無実の罪で孤島の収容所に送られる。

 女性ばかりの収容所は、女に目がくらまないようにホモの刑務官たちが仕切っていて、彼女たちはヒドイ扱いとツラい労働を強いられていた。

 広場には、大きな鳥かごのような「さとうきび絞り器」が建設されていたが、そこで働くのは問題を起こした囚人たち。時には、高い場所から事故にみせかけて落とされたりする。

 さらに、懲罰房のような「大きな籠」もあり、そこに入れられるとたまに水責めにあって苦しい想いをする。

 性行為禁止の所内で、ひとりだけ、いつも所長に呼ばれるアジアの女がいた。所長のお相手…という名目だったが、実は、所内の機密を報告しろと所長が命じた内偵員だった。そのことは看守にも内緒にされていた。

 ジャンゴたち革命軍も同じ島の中に拠点を持っていた。ボスのジャンゴと、そのパートナー(パム・グリア)。彼らは、収容所の女たちを大勢さらってきて革命軍のために使おうと画策する。

 五分に一度は、無意味におっぱいを見せながら、映画は進む。

==以下ネタバレ==

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ネタバレあらすじ

 役人たちが視察に来る日。昼間は、普段とは違う簡単な労働をしている演技をさせられる女たち。夜は接待タイムとなるが、政治家とのコネを持つ白人女は「チャンスよ。役員と話ができれば…」と、収容所の悪事を暴こうと考えるが、スパイ女のせいで計画がバレてしまう。

 ある女は役員の性のお相手をさせられそうになり暴れまわり、懲罰房に入れられる。騒動の罰として、次の日から、規律はさらに厳しくされ、労働により病気になる女たちが頻発する。

 白人女は脱走を企て、近くの家に逃げ込むが、そこにいた大勢の男たちにレイプされそうになる。間一髪で収容所の看守が乗り込んできてレイプは免れるが、脱走の罰として、髪の毛だけで身体を吊るされ放置されてしまう。

 次の日から労働量を倍にされる。過酷な労働に、自殺を図る者、命を落とす者まで出てくる。

 革命軍のパム・グリアが、わざと収容所に送られてきた。

 強気なパムは、囚人たちを挑発し「今日から私がボスよ」と、今までのリーダー女にケンカをふっかけ、もちろん意味のない泥んこプロレスの末、ボスの座を奪う。それを陰から見ていたジャンゴは、看守がホモであることを知り「明日からホモの稽古だ」と言う。

 バーでホモのフリをして看守を誘惑したジャンゴは、収容所の新米看守として中に入り込む。

 パムが革命軍であることも、所長にはすでにバレていて拷問にかけられるが、中に入り込んだジャンゴに助けられる。

 冒頭のクラブで、パム&ジャンゴと会っている白人女は、二人の正体に気づくが、ここを出て悪事を告発するという目的が一致して仲間となる。ジャンゴの計画によると「今夜10時に騒動を起こす。仲間も乗り込んでくる。」しかし、それもまた、スパイ女に盗み聞きされていた。

 昼、所内の事故が元で、想定より早く暴動が起こりそうになるが、パムが説得して抑える。そして「今夜10時に(あらためて暴動を)やる」ことを全員に周知する。所長はこの暴動により「すぐに警備軍を配備しろ。夜までにだ。」と命令する。

 スパイ女は、なんとか暴動の計画を所長に伝えようとわざと怪我をして診療所に運ばれる。その様子を、同じく診療所にいた白人女が聞いていた。さらに、スパイ女の報告を聞いた診療所の看護師も、元々、収容所のやり方に不満を持っていたため、スパイ女を拘束し、ジャンゴたちの味方になる。

 ホモ看守に迫られているジャンゴは、途中まで乗り気なフリをしながら、タイミングを見て銃を奪い、看守を人質に女たちの部屋に連ていき、暴動の準備を開始する。

 欲求不満金髪女のアイデアで、捕まえたホモ看守のズボンを降ろし、大勢で逆レイプする。看守の上で腰をふり喜ぶ欲求不満金髪女。

 暴動開始。小屋を壊したり、火をつけたり、大暴れの女たち。看守たちも応戦する。

 集団脱走の途中、ジャンゴがやられ、パムも命を落とす。

 四人で逃げる白人女たち。欲求不満金髪女は、スパイ女を「裏切り者」と撃とうとするが、白人女が「もう収容所内じゃない」と止める。

 滝で欲求不満金髪女が足を骨折する。「置いていけないわ」という白人女に「いいから逃げて。あたしの分まで男とヤりな。」とその場に残り、スパイ女を囮に使って銃をぶっ放す。

 残った二人が力尽き、あきらめかけた頃、森の中でジャンゴの仲間たちに助けられる。香港まで送ってくれるというる船に乗り込む白人女たち。「ジャンゴたちは?」と聞くと、仲間は「どこかで元気でやってるさ。心配するな。」と送り出す。

つまりこういう映画(語りポイント)

 映画オタクのタランティーノが世界的な監督に成ったことで、B級映画が注目されるようになった。「タランティーノが参考にした」「タランティーノが敬愛する…」なんて、売り文句が付加されたからだ。

 ジャック・ヒル監督と主演パム・グリアの初コンビとなった同作は、タランティーノの『ジャッキー・ブラウン』のルーツと言える。もちろん『ジャッキー・ブラウン』の主演はパム・グリア。『デス・プルーフ』も、タランティーノが、B級映画にオマージュを捧げて、わざとB級っぽく撮った映画ですよね。本当に好きなんでしょう、B級おバカ映画が。

 そのテのセンスに近い映画は、日本でもある時期、頻繁に制作されていました。国際放映の前身である「新東宝」映画です。三原葉子さんなど、肉感的な女優を擁して、エログロ大衆路線だった頃の新東宝映画は、タランティーノが愛するB級映画にかなり近いものがある。国籍不明、場所不明、時代考証関係なしのナンデモアリな娯楽路線。そっちも面白いです。

 さて、原題「BIG BARD CAGE」が「残虐全裸女収容所」なんて、ピンク映画のような邦題になっちゃってますが、まったく残虐ではないし、裸はたくさん出てきますが決して全裸ではないです。どうでもいいのか、つけた人。

 全編フィリピン・ロケ。建物はすべて木造か藁でできていて、非常にチープ。低予算が前提のロジャー・コーマンらしい。

 女収容所の看守がホモ。囚人の中には身長190センチくらいのレスビアンも出てくる。ホモやレズって今や差別用語なのかどうか知りませんが、劇中、性的思考を見下すような意図は一切ない。むしろ、当然存在する人として描いているので、どこかの団体に怒られるような筋合いはなさそう。

 ホモ設定の看守が、いかにもホモな演技をしていて、欲求不満な女たちに逆レイプされて嫌がるという、ふざけたシーンは見どころです。

 性交渉的なシーンは意外にまったくないのですが、5分に一回は、無意味におっぱいが露出されます。もはや健康的。パム・グリアの巨乳っぷりも満載(脱ぎませんが)。

 ツッコミどころ満載の脚本なんて、途中から(最初から?)どうでもよくなります。

 ただただ、おバカっぷりを楽しむ映画。嫌いではないです。

▼ジャック・ヒルとパム・グリアが次に組んだ主演作

cinema.kamuin.com