【映画で語ろう】カムシネマ★3分で語れるようになるポイント【ネタバレあらすじ】

映画を観たなら語りたい。映画の紹介から、ネタバレあらすじ、著者の独断と偏見による「語りポイント」まで。

3分で映画『ラプチャー-破裂-』を語れるようになるネタバレあらすじ

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基本データ・おススメ度

『ラプチャー-破裂-』
題:Rupture
2016年 アメリカ
監督:スティーヴン・シャインバーグ
出演:ノオミ・ラパス、マイケル・チクリス、ピーター・ストーメア、ケリー・ビシェ、レスリー・マンヴィル
 おススメ度★☆☆☆☆(1/5)
 『セブン・シスターズ』のノオミ・ラパス主演。めちゃ体力勝負の演技は見ものではあるけど、なにせ、脚本が面白くない。アイデア不足。いろいろ足りない。『異形の者』を描きたい監督の意図はわかるけど、B級SFになって「以上。」な映画。

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◆目次

 

あらすじ(ネタバレなし)

 息子エヴァンと二人暮らしのレネー(ノオミ・ラバス)は蜘蛛が大嫌いだった。洗面所で大きな蜘蛛をみかけてエヴァンに助けてもらう。「殺さないで。外に。」

 家事に必要なカッターナイフをポケットに入れるレネー。このカッターナイフがのちのち大活躍する。

 突然、数名の男女に拉致されるレネー。ビニールテープで顔をグルグル巻きにされ、トラックの荷台に。睡眠薬で眠らされどこかに連れていかれる。道中、カッターナイフを持っていることを思い出したレネーは、服から取り出し靴の中に隠した。

 レネーが目覚めると、どこかの施設内でベッドの上に拘束されていた。

施設内には、同じように拘束されている人たちが大勢いる。男性から「G10-12Xを忘れるな」と聞かされたレネー。

 どうやら、なにかの実験が行われているらしい。レネーは被験者のひとりとして拉致されたのだった。

 果たして何の実験なのか。どうしてレネーが連れ去られたのか?

==以下、ネタバレ==

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ネタバレあらすじ

 レネーがカッターナイフを使って拘束を解こうとしていると、その物音にきづいた隣の部屋の男・ブレイクが話しかけてくるが、すぐにブレイクの部屋に誰かが入ってきた物音がして、ブレイクの悲鳴が聞こえだす。

 レネー、名前や身長、その他さまざまな質問をされる。やりとりから、レネーは蜘蛛が大の苦手であることがバレる。

 医者のような男が、レネーの顔に自分の顔をちかづけ「良い肌をしている」と言う。肌がなにか関係しているのか。

 拘束されたままのレネー周りに蜘蛛が放たれる。悲鳴をあげるレネー。

 その後、拘束を切ったレネーがダクトに入り込み他の部屋を見て回ると「高いところから落とされている女性」「父親の写真をみせられている男性」などがいる。どうやら「嫌いなものを見せられる(あるいは体験させられる)」のが実験の方法らしい。

 スタッフの会話が聞こえる。「ブタペストで破裂したらしい。これでボストンも含めて47人」「女性が24人いる。でも全員不妊症だ」「なんてこった。」この段階では、まだこの会話の意味はわからない。
 
 レネーはブレイクの部屋に侵入するが、すぐにスタッフが来たので隠れる。ブレイクは実験の最終段階のようだったが、どうやら「失敗」した模様。失敗した被験者は、普通の生活に戻されるようで「帰還係」という女性がブレイクを連れ去る。

 スタッフのひとりがコンタクトレンズを外すところを目撃。なんと黒目が三つある。

 一旦、自分の部屋に戻り、自分で拘束を元通りにしたレネーの元にスタッフがやってくる。女性スタッフのダイアンから「G10-12Xとは遺伝子コード」だと聞かされる。そして「私たちの本当の姿を見せてあげる」と、みっつの黒目と、ぐにゃぐにゃに変形した顔を見せられる。

 レネーはG10-12Xという遺伝子を持つらしく、「恐怖が骨まで到達する」とラプチャー(破裂)する。そして、新しい種類の人間?に生まれ変わるのだという。彼らはどうやらその「新人類」であり、自分たちの仲間を増やすために、同じ遺伝子を持つ人間を拉致して、覚醒させるのが目的だった。

 レネーの卵子は特別で、普通の人間の精子を受け付けないことがわかる。つまり、元の旦那も、息子のエヴァンも、同じ遺伝子を持っているということ。

 一度はダイアンを注射器で刺して施設内を逃亡するレネーだったが、やがて捕まる。一日半眠らされていたというが、起きたレネーにスタッフは優しい。レネーが新人種を繁殖させることができる貴重な女性だとわかったからだ。

 彼らは「感情の度合いが低い(人間のように感情に惑わされない)」新人種であり「進化して私たちの仲間に。それは素晴らしいこと」と言われる。

 マスクの中に蜘蛛を投入されたレネーがとうとう破裂する。実験成功。

 元の生活に戻ったレネーは、性格も変わり、蜘蛛を見てもまったく怖がらないようになっている。「ママ、変だよ」という息子のエヴァンに「新しい出会いがあったの。あなたも苦手な数学を克服できる」と家庭教師を呼ぶ。

 「そんなの嫌だ」と二階へあがるエヴァン。そこに施設のスタッフたちが来る。エヴァンを連れに来たのだ。

 協力しているレネーだが、携帯端末でエヴァンに「危険よ。すぐに逃げて」と送信する。レネーの中にはまだ人間の心が残っていた。

 しかしそれも承知のうえのスタッフたちは「すぐに人間の心も消える。君は新しい人種の母になるんだ」と言われる。

つまりこういう映画(語りポイント)

 「セブン・シスターズ」で素晴らしいアクションを見せたノオミ・ラパスが、また、めっちゃ体力勝負の役をこなしている。見どころは彼女。

 ただ、それ以外は「う~ん、なんだかなぁ」な映画です

 監督は「毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト」のスティーヴン・シャインバーグ。そういえば「毛皮のエロス~」(も酷い映画でしたが)も、『異形の人間』を題材にしていた。監督の中に、なにかしらの人間パッシングと訴えたいテーマがあるのはわかる。それは良い。

 それは良いとして、問題は、見せ方のチョイスで、その点で「アイデア不足」だと感じるし、監禁モノのアクションにして映画として成立させてはいるけど、それにしては最後のオチにカタルシスがない。

 ラスト前の、レネーにまだ人間の心が一部残っている…という設定は「おっ」と思ったのですが、それもあっさりと翻されて「新人種に取り込まれなした。終わり」ですからね。

 例えば、その「わずかに残った人間の心」が、彼らの野望を粉砕して、自分と息子を守るとか。そんな流れであれば、逆に「果たしてそれで良かったのか」「彼ら新人種が、正しかったのではないのか」「残った人間たちは、これからどうやって生きていくべきか」等の問いかけになった気がするし、う~ん、その辺は好みの問題か。

 このバッドエンドの狙いもわからなくはないですが、ちょっと効果が薄い。

 結果「B級SFアクション」で終わってしまった映画。残念。

▼なら『セブン・シスターズ』を観てください。こっちはめちゃくちゃ面白い。

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