【映画で語ろう】カムシネマ★3分で語れるようになるポイント【ネタバレあらすじ】

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3分で映画『リバイバル 妻は二度殺される』を語れるようになるネタバレあらすじ

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基本データ・おススメ度

『リバイバル 妻は二度殺される』
原題:THE PHONE
2015年 韓国
監督:キウ・ボンジュ
主演:ソン・ヒョンジュ、オム・ジウォン、ペ・ソンウ、ファン・ボラ
 おススメ度 ★★★★☆(4/5)
 いやもう「一年前に殺された妻から電話がかかってくる。」この設定を思いついた時点で勝ちです。人間のタイムスリップではなく、電波だけが一年ずれる(?)という設定がなによりのアイデア勝利。 文句なしに面白い。

 ※2016年にwowowプレミアで観たときは「妻は二度殺される」という題名だったのが、いつのまにか日本で公開され「リバイバル~」などと変な題名がついていましました。

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 ◆目次

あらすじ(ネタバレなし)

一年前に死んだ妻。翌年の同日「一年前の妻」から電話がかかってくる。殺された日の昼、まだ何も知らない妻から。携帯の電波だけがタイムスリップするというアイデアを活かしながら、2015年の夫と2014年の妻が電話で連絡をとりながら事件を未然に防ごうと頑張る話。過去が微妙に変わったことで、夫は、真犯人の策略で妻殺しの犯人に仕立て上げられる。警察から逃亡しながら真犯人を探し、命がけで一年前の妻の命を救おうと奔走する。

 ちょっと拝金主義の弁護士ドンホ(ソン・ヒョンジュ)は、脅迫を受けたりする弁護士の仕事に嫌気がさして転職することにする。退職当日、妻との約束を反故にし、同僚との送別会でドンホが酔っぱらっている間に、妻が自宅で何者かに殺される。
 犯人が見つからないまま一年が経った。妻を失くしたドンホはショックからかすっかりだらしない生活になってしまっており、転職した薬剤会社もクビになっていた。
 ちょうど事件から一年後の同じ日、なんと「一年前の」妻から電話が来る。殺される日の、まだ何も知らない妻だ。ドンホはなんとか事件を回避しようと「家から逃げろ。強盗が隠れてる。」と伝えるが…。

==以下ネタバレ==

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ネタバレあらすじ

 一旦は回避するが、結果、妻は別の方法で殺され、犯人の策略により、自分が妻殺しの指名手配犯となっていた。2014年の過去を変えたことで、2015年の現在が変わってしまっていたのだ。
 この日は太陽フレアの影響で全国的に携帯の電波に異常をきたしており、その影響で、一年前の妻と電話で話せるようになったという設定。
 追ってくる警察から必死で逃亡しながら、真犯人を探すドンホ。犯人は元・刑事で、ある政治家の犯罪の証拠が、弁護士だったドンホの家に送られていたことから、証拠を回収しにきた汚職刑事と妻が鉢合わせしてしまい殺されたというのが真実。犯人の刑事もすでに警察をクビになっており、2015年では、悪徳政治家から仕事をうける殺し屋のような立場になっていた。
 ドンホは、2014年の妻に確認させたクルマのナンバーから犯人をつきとめ自宅に侵入。証拠となる車載カメラをとりかえすことに成功する。動きを察した犯人はドンホを追ってくる。

 2014年では、妻がまだ生きていて病院にいる。妻との連携で、2014年に妻が天井裏に隠した凶器のナイフを2015年にドンホが受け取る。これは真犯人の証拠になる。
 しかし、そのナイフも犯人に奪い返され、自宅で娘ともども殺されかける。一年前の同時刻には、同じ犯人が妻を追いつめている。
 2015年、ドンホはついに犯人に刺され意識が遠のく。も万事休す…だったが、2014年のドンホがかけつけ助ける。
 その瞬間、2015年のドンホに平和な家庭が戻っていた。

つまりこんな映画(語りポイント)

 いやもう「一年前に殺された妻から電話がかかってくる。」この設定を思いついた時点で勝ちです。後はもうなんとでもなる。 

 太陽フレアの影響で携帯の電波に異常が出ているというニュースから入り、その後の不思議な現象の理由としている。リアリティはないのだけど、そこは素直に「そなんだ」と受け入れるところ。
 人間のタイムスリップではなく、電波だけが一年ずれる(?)という設定がなによりのアイデア勝利。そして、過去を変えれば現在が変わるというタイムトラベル物お決まりの設定を使って、過去を変えたために、真犯人の策略により自分が妻殺しの犯人に仕立てあげられていると云う逆境を作り上げている。
 冒頭、話が一年後になる前から、妻が殺された後と殺される前の数時間の軸を絶妙にずらしながら状況をみせる脚本もうまい。その後の大きな時間軸のずれを前に、観客に軽く免疫をつける効果がある。
 
 最後は、2014年の妻の頑張りが、2015年の夫を助けることになる、と。

 設定を完璧に使いこなしている感。

 妻をなくして一年が経過した男が、まだ立ち直れていなくて、すっかりくたびれてしまい、顔つきまでどんよりと曇ってしまっている感じがリアル。そこを「どん底」として、一年前の「生きている」妻と話したことから、命がけで奔走し、幸せを取り戻そうとする。

 その必死さが、奇抜な設定をすっかり忘れさせてくれて感情移入できる。妻だけでなく、そこに娘の葛藤や愛情も入れ込むあたりが韓国映画、そういうのは、やりすぎなくらいでちょうどいい。

 仕事を優先し、家族との時間をおそろかにしていた男が人生で本当に大事なものを確認する…という流れも定番すぎていい。
 
 相変わらず、韓国映画は雨の使い方がうまい。
そんな絵的な美しさ、アイデア、脚本、俳優の芝居、すべてにレベルが高い。

 それ以上に奥さん(オム・ジウォン)のレベルが高い。