【映画で語ろう】カムシネマ★3分で語れるようになるポイント【ネタバレあらすじ】

映画を観たなら語りたい。映画の紹介から、ネタバレあらすじ、著者の独断と偏見による「語りポイント」まで。

3分で映画『マッド・ナース』を語れるようになるネタバレあらすじ

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基本データ・おススメ度

『マッド・ナース』
原題:NURSE 3D
2013年 アメリカ
監督:ダグ・アーニオコスキー
出演:パス・デ・ラ・ウエルタ、カトリーナ・ボウデン、コービン・ブルー、ジャド・ネルソン
 おススメ度★★★☆☆(3/5)
 おバカ映画なのかマジメなサイコ物なのか良くわからないまま、どんどん映画が進む前半。ただひとつ間違いないのは、めちゃくちゃエロい映画であること。最終的には、エロティック・スプラッター、加えてコメディ少し。ポスターから受ける印象とはまったく違う映画です。個人的にはかなり面白かった。脚本的にも、伏線がウマく張られていて回収の仕方もうまい。エロ度Max。グロい描写も多し。

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◆目次

 

 あらすじ(ネタバレなし)

 ナイトクラブで男を誘惑する女、アビゲイル。誘いに乗ってきた男が妻帯者だと確認すると、やらせると見せかけて医療用メスで大腿動脈を掻っ切った。

 彼女は男の浮気に対して異常な恨みを抱いていた。浮気する妻帯者をみつけては殺す連続殺人鬼。

 アビーの本職は看護婦。大きな病院に勤務し「最優秀看護賞」を受賞するほど優秀だった。

 最近、後輩看護婦であるダニーのことが気になっていた。新人指導の名目で彼女と仲良くするが、内心は、彼女を手に入れたいと願っている。ダニーの義父のラリーも医者だが浮気者。

 新人のダニーは、まだ悲惨な患者に慣れていない。血まみれの患者を見てショックを起こしたりする。また、同じ病院に勤務する恋人のスティーブとの関係で悩んでいたり、味な先輩にもいじめられていた。

 アビーは、ダニーを励ますために、飲みに誘い、そこで酒と薬を飲ませ、見知らぬ男たちと乱交をさせた。自分もダニーと絡んだ。

 翌朝、アビーの部屋で目覚めたダニーに昨夜の記憶はない。反省したダニーは「次に遊ぶのはランチか買い物ね」といって部屋を出ていくが、見送るアビーは彼女はセックスを楽しんでいた。逃がすものか」とつぶやく。

 死体処理係の男は、アビーのことを気に入っているのか「そんな派手な格好で歩くと危険だ」とマジメに忠告している。

 アビーは、ダニーの義父・ラリーに会いにいった。ラリーが浮気者の最低男なことは知っていた。ラリーは心療内科医だったが、アビーは「私はオトコ依存症なの」と言い「治療して」と色目をつかう。アビーは、ラリーに幼い頃の出来事を少し話す。母と一緒に父の仕事場に行ったときのこと(そこで何を見たかはまだ語られない)。

 どうやら、幼い頃のトラウマがアビーを病ませているようだ。

==以下ネタバレ==

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ネタバレあらすじ


 ロッカールームで義父の浮気に心を痛めているダニーを慰めるアビー。ダニーに「ひとりになりたい時は部屋を使っていいよ」と合鍵を渡す。

 アビーは診療時間外にラリーに近づき、車に乗り込む。誘惑しラリーが少しその気になったところで、注射器を取り出し弛緩剤を打つ。すぐに身体全体が麻痺してしまう注射だ。そのまま車のサイドブレーキを解除し、トラックと衝突させる。ラリーは死亡。

 義父を失くしたショックで泣いているダニーに「大丈夫、私がついてる」と言う。しかし、「スティーブなんて負け犬よ。私ほどあなたを心配してる人はいない」などと言い出すアビーを、ダニーは怖がり始める。さらにアビーは、ダニーが言ってもいない義父の死亡原因(車の事故)を知っていた。

 義父の葬儀、刑事がダニーに「なにかあれば連絡を」と言うが、ダニーは「特になにもない」と話す。アビーが義父の患者だったと知ってさらに警戒する。

 病院に新しい人事部長、レイチェルがやってきた。レイチェルは病院のあちこちにスマイルシールを貼りまくる女だった。

 レイチェルはアビーに会って驚く。幼い頃の知り合い、サラにそっくりだったから。サラは精神病院へ入院し消息は知らないと言う。レイチェルを飲みに誘うアビー。

 アビーは困惑していた。「ダニーは義父を嫌っていたはず。なのに、どうして私を警戒するの?」逆恨みから、アビーは「ゲーム」を開始する。

 ダニーは、アビーからのメールに驚いていた。あの夜、クラブで乱交しているダニーの写真が大量に添付されていたからだ。そこに来たスティーブに、必死に写真を隠すダニー。

 夜、アビーからのテレビ電話。そこに写っていたのは、意識朦朧としたレイチェル。その後方に注射器をかまえて不気味に笑うアビーがいた。

 警察に通報するダニー。しかし、警察でアビーは「ダニーは精神的におかしい、私をつけ狙うの」と嘘をつき、警察もアビーを信じてしまう。レイチェルはただ酔っぱらって寝ていただけだと言う。逆に精神状態を疑われ「アビーに近づくな」と責められるダニー。いつか渡された合鍵も、ダニーが勝手にコピーを作ったことになっていた。おまけに、あの夜の乱交写真を警察に見せられる。隣にいたスティーブも写真を見てダニーを責める。

 ダニーは、レイチェルの話に出てきたサラが入院したという病院へ向かう。

 サラは、8歳で、母と一緒に父の浮気現場を目撃し、母に逆ギレした父を、近くにあった医療用メスで殺害してしまった過去があった。一年後に母は自殺した。、その後、サラをひきとった看護婦の名前は、ジャネット・アビゲイル・ラッセルだった。ジャネットもその後、行方不明になったらしい。

 アビーは、陰険なモリス医師から「若い看護婦から君に苦情が出ている」と言われるが、その後、モリスを簡単に誘惑したアビーは、誘いに乗ってきたモリスを死体安置所に拉致し、医療機器を使って身体をバラバラにする。

 ダニーがレイチェルに電話をかけると、呼び出し音はダニーが乗っている車のトランクで鳴った。トランクには血のついたレイチェルの携帯電話。
 
 その頃、アビーは黒人刑事とセックスをしていた。刑事の携帯に留守電を入れるダニー。

 病院の廊下でアビーを見かけたダニー。最初はまたダニーがアビーを追いかけていると勘違いされるものの、完全に壊れたアビーは、どんどんと病院内で殺人を繰り返していく。医者や患者を無差別に刺しまくる。スティーブも首を刺された。

 まだ事情を知らない医師の元へ行き。血まみれで助けを求めるアビー。患者だと思った医者が別室へ連れて行く。そこから身づくろいをして、何事もなかったように外に出たアビー。

 そこにすべてを知った刑事が来る。しかし、アビーは黒人に恐喝されているような演技をする。それを見た死体処理の男が誤解し、刑事を殴り殺してしまう。男を慰め、その場を去るアビー。

 アビーはスーツ姿で新しい病院に出勤した。「新人の人事部長、レイチェルです」と名乗り、笑顔でスマイルシールを貼った。

つまりこういう映画(語りポイント)

 おバカ映画なのかマジメなサイコ物なのか良くわからないまま、どんどん映画が進む前半。ただひとつ間違いないのは、めちゃくちゃエロい映画であること。

 最終的には、エロティック・スプラッター。加えてコメディ要素少し。個人的にはかなり面白かった。脚本的にも、合鍵、同僚のモテない君の存在…など、伏線がウマく張られていて回収の仕方もうまい。

 油断していると、最後のほうでけっこうなグロ描写が連発で驚かされる。

 最初は、とにかく浮気男に復讐するナースの話かと思ったら、途中から浮気はあまり関係なくなり、主人公の愛憎劇になってくるし、グっとサスペンス調になったと思ったら、最後は思い切りサイコパスからのスプラッターだし、良い意味でメチャクチャな映画。いろんな要素がてんこ盛り。

 病院の中でありえないほどエロい服装のナースに、その尻を目で追う男たち。その辺はコメディ要素丸出し。そのあたりが「こ、この映画は…なに?」とカテゴリーを定めにくい要因になっている。もちろん、そこは狙いでしょう。

 こと意外性という面で点数高し。

 主演のパス・デ・ラ・ウエルタという女優さんのキャラが最高ですね。綺麗な人なんだけど、あきらかに怖い、おかしい、変、抜群のキャラクター。彼女のキャラクターなしにこの映画を成立させるのは難しいでしょう。それくらい、唯一無二。長身から繰り出すエロ度はMax。

 しかし、前半の浮気男連続殺人って、罪を犯した男を罰しているのではなく、罪に陥れて殺している。いわゆる「おとり捜査」の手口。男性目線でみると「ひどい女やなぁ」って印象。そこがまたサイコ。

 主人公に同情の余地が皆無なところも、思い切っていて好感が持てる。このテのハチャメチャ物に中途半端なヒューマニズムは不要ですので。

 徹底したエンターテイメント。ただ一言「面白い」と言える映画。スプラッター嫌いな人はダメでしょうが…。全編いろいろ楽しめます。