【映画で語ろう】カムシネマ★3分で語れるようになるポイント【ネタバレあらすじ】

映画を観たなら語りたい。酒でも飲みつつ語りたい。3分で「語りポイント」がわかる映画ネタバレあらすじ集。

3分で映画『ダーク・プレイス』を語れるようになるネタバレあらすじ

基本データ・おススメ度

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『ダーク・プレイス』
原題:Dark Places
2015年 イギリス・フランス・アメリカ
監督:ジル・パケ=ブランネール
出演:シャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルト、クリスティーナ・ヘンドリックス、クロエ・グレース・モレッツ、タイ・シェリダン
 おススメ度★★☆☆☆(2/5)
 ツカミの設定はめちゃ面白そうなのに、その後がもったいない。ほぼすべての登場人物の動機に無理があって感情移入しにくい。脚本に難あり。シャーリーズ・セロン、クロエ・グレース・モレッツら俳優陣の魅力とミステリーの謎解き部分で、一応、最後まで楽しめるでしょうが。あとは好み次第か。

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あらすじ(ネタバレなし)

 28年前の一家惨殺事件で生き残った娘がいた。事件は、娘・リビーの証言が決め手となって兄のベンが犯人とされ、ベンは終身刑、すでに28年間、刑務所にいる。
 リビーは36歳になっていた。当初は支援金や寄付金で暮らしていたが、事件が忘れ去られていく中、お金はすべて使いきり、今は自堕落な生活を送っていた。
 「殺人クラブ」なる秘密の組織から彼女に声がかかる。クラブは迷宮入りした事件や過去の事件を洗い直し、真犯人をみつけるなどの活動をしていたが、リビーの事件についても「兄のベンは冤罪だ」と主張していて、当事者のリビーに協力を要請してきたのだった。
 当時のことなど思い出したくもないリビーは乗り気ではないが、お金欲しさに協力することにする。

ネタバレあらすじ

 ※映画は、現在と28年前を行き来しながら進む。

 リビーは兄・ベンに面会に行く。久しぶりの再会を喜ぶベンだったが、ベンの「俺は誰も殺していない」という言葉を信用しないリビーは「嘘つき」といって帰ってしまう。ベンは無罪であるといいながら、なぜか刑に服することを許容している。なにか理由がありそう。

 28年前、母親・バティは女手ひとつで、息子ベンと、そこから少し歳の離れた女の子3人の、4人の子供を育てていた。

 ベンにはディオンドラ(クロエ・グレース・モレッツ)という彼女がいて、すでにベンの子供をみごもっていたが、ディオンドラはいかにもアバズレの悪女で、悪魔崇拝のグループで他の男とつるみながら、当時社会問題にもなっていた家畜虐殺などの行為も行っていた。ベンはその思想についていけなかったが、彼女と一緒にいることで、世間からは危険思想の持主と決めつけられていた。

 ベンには女児へのワイセツ行為の疑いもかけられており、母バティは学校に呼び出される。無罪を主張するには弁護士も必要となってきた。経済的に困窮し、精神的にもへとへとになっていた母。そんな状況下、あの忌まわしい惨殺事件が起こった。

 現在。リビーはベンが性的いたずらをしたとされるクリシーを探した。今はストリッパーとして場末で生きていたクリシー。ベンにひどいことをされたと言う。名前と電話番号を置いて去るリビー。

 父・ランナーはホームレスになっていた。会いに行ったリビーだが、事件当日のことは何も知らないという。

 長い間、行方不明になっているというディオンドラを探した。自宅をつきとめて行くと、ディオンドラは「いつか貴女が訪ねてくると思った」と言い、当時みごもってたベンの娘・クリスタルを紹介する。突然の姪の出現に戸惑うリビー。トイレから出てきたリビーをクリスタルが殴る。事件当時、ディオンドラが死んだ母の首から盗んだ十字架のペンダントをリビーにみつけられたからだった。銃で追ってくる二人を振り切って逃げるリビー。

 「殺人クラブ」の担当者・ライルから事件の真相を聞かされる。母・バディは、貧困から脱出するため、嘱託殺人業者である連続殺人犯・ディールに自分の殺害を依頼していた。自分の死によって子供たちに保険金を残すため。

  ベンの少女ワイセツも冤罪だったとわかる。ベンのことを好きだったクリシーが周りへの見栄で軽い気持ちで嘘をついたのが広まり、後に引けなくなったというのが真相だった。
 
 28年前。事件の夜、ベンと一緒にディオンドラも自宅にいた。その姿を妹のミシェルに見られてしまい、ディオンドラはミシェルと揉み合う。止めるベン。
 同時に、依頼を遂行しにディールも自宅に侵入してきていて、予定通りに母バディを殺す。しかし、その現場を妹ボビーが見てしまい、ディールは仕方なしに予定外のボビーも銃殺。銃声に驚いて様子を見に行ったベンがいない間に、ディオンドラはミシェルの首を絞めて殺害してしまう。

 母と妹ボビーが殺されていることに狂乱するベン、さらに部屋に戻るとミシェルも死んでいる。ディオンドラを連れて逃げるベン。その間、リビーはひとりでウサギ小屋に身を潜めて震えていた。

 後日、ただひとり残ったリビーは、現場から逃げたベンを犯人と見ている警察の思惑に乗せられた形で「兄ベンが銃を撃っていた」と虚偽の目撃証言に誘導されることになる。

 数日後、テレビのニュースで「28年前の惨殺事件の犯人はディールであること」「兄べンが冤罪で28年間も服役したこと」すべての真実が報道されていた。

 リビーは面会室でベンと会う。
 リビーは虚偽証言をしてしまったことを謝るが、ベンは、お前のせいではないと言う。自分が罪を被ることで、当時ディオンドラのお腹の中にいた自分の子供を守ることができるならそれでいいと納得していた。

 ベンは刑務所の中で「許す」ことを覚えたと言う。お互いに謝罪しあい涙を流す兄妹。ベンは釈放される。

 「あの日から時が止まっていた。でもこれから始まる。やっと始まる。すべてが。」リビーの独白で映画は終わる。

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つまりこういう映画(語りポイント)

 ツカミの設定はメチャ面白そうなのです。

 「28年前の一家惨殺事件でひとり残った少女」と「事件の真相を追う闇のクラブ」さらに、事件当時は可哀想な少女として世間から保護されていたのが、時がたち「36歳になってすっかりヤサぐれている女」…めっちゃそそる設定です。シャーリーズ・セロンがまた、ヤサぐれ女を演じたらピカイチに男前だけに。おおいに期待しました。ただ…、

 脚本がダメダメ。せっかくのツカミがもったいない。

 シャーリーのカッコよさも冒頭の5分がピークで、その後、特に弾ける芝居はなく、最期までそのまま。主役の存在理由が希薄。ただ淡々と事件を追っていく係になってしまいました。しかも、特に当事者である彼女が協力したから解決した…と思える部分がなく、探偵クラブでも究明できたレベルの謎なのです。実際、一番のネタバレである「母が嘱託殺人を依頼していた」ことを探し当てたのはクラブの人だし。

 クロエちゃんは良いです。

 アバズレ悪女を演じるクロエ・グレース・モレッツ。家畜を虐殺するシーンで、返り血を浴びつつ叫びをあげる表情とか、妹を殺すシーンの恐ろしい表情とか、とことんホラーが似合う女優さんやなぁと感心。かわいい顔でこれやられたら、そりゃ仕事が来るだろうと。今回は、シャーリーよりこちらの方がプロフェッショナルだと感じました。

 登場人物たちの動機が希薄。

 兄ベンにしても、子供を守りたいのはわかりますが、それでも、そもそも無事に生まれたかもわからない子供のために、終身刑を受け入れて人生を棒にふるだろうか?
 クロエちゃんが、28年前の現場からわざわざ証拠になるような母のペンダントを盗んでいくだろうか、その前に、なんで妹を絞殺までしたのか、ディオンドラってそりゃ悪女なのだけど「恋人の妹を殺す」ハードルって、そこまで低くないんじゃないかとか。
 中盤以降、たくさん居た殺人クラブの人たちが出てこなくなるんだけど、リビーに多額の報酬を払ってまで真相究明したいのに、担当者ひとりだけ?社会的に危険なことを冒してでも正義を追求したいと云う熱意ある団体じゃないの?とか。

 いろいろシラケるのです。

 そして葛藤も少ない。自分の虚偽証言で兄が28年間も投獄されたことに対して、リビーの葛藤ってそれだけ?とか。

 唯一、ブレがないのは「母親の犠牲愛」。

 4人の子供たちを幸せにしたい一心で、自分の命を犠牲にする母・バティ。ここには文句のつけようがない。「いや、バカな選択だ」という文句もあるでしょう、現実的にはそうでしょう。ただこれは映画。

 個人的には、どんな難解な映画でも、ひとつくらいは「とてもわかりやすい部分」があるべきだと思っています。主にメインテーマの部分は絶対に伝えなきゃいけないから。そういえば、この映画の最後も、リビーが独白で思い切り語っちゃいます、今の心境やら今後の抱負を。それは蛇足になることも多いのですが、観客にまったく伝わらないよりはまだマシでしょう。

 この母親のエピソードが心地良く感じるのは、他のキャストの描写が曖昧でスッキリしないだけに「良かった。やっと筋の通った登場人物が居てくれた」という安堵感なのかも。

 なんだかんだ言いながら…

 リビーとベンの面会から、母の描写、リビーの独白…ラストの流れは、それなりにグっと来ます。