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【映画で語ろう】カムシネマ★3分で語れるようになるポイント【ネタバレあらすじ】

映画を観たなら語りたい。酒でも飲みつつ語りたい。3分で「語りポイント」がわかる映画ネタバレあらすじ集。

3分で映画『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』を語れるようになるネタバレあらすじ

基本データ・おススメ度

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『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』
原題:DE SURPRISE
2016年 オランダ
原作:ベルカンポ
監督:マイク・ファン・ディム
出演:イェロン・ファン・コーニンズブルッヘ、ジョルジョナ・フェルバーン、ヤン・デクレール、ヘンリー・グッドマン
 おススメ度★★☆☆☆(2/5)
 設定がいかにも面白そうで、前半は実際に面白いです。但し、後半でやや期待はずれでした。もったいないと感じますがそこは好みの問題かも知れません。ラブコメとして観れば楽しめるし、ハートウォーミング好きな人には良いのかも。

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簡単にいうとこんな話(ネタバレなし)

 大富豪の青年・ヤコーブが自殺を希望する。あるきっかけで知った「自殺ほう助会社」に行き、いつどうやって死ぬかはわからない「サブライズ」を注文。そこで同じく自殺志願の女性客と知り合い、二人は恋に落ちると云う、世にも不思議な物語系のラブコメ。

ネタバレあらすじ

 大富豪の青年・ヤコーブは、母の死を機に自殺を決意する。自殺は以前から考えていたことだが、母が生きているうちは…と思いとどまっていた。あらゆる方法で死のうとするが、どれもうまくいかない。
 車で崖に行ったヤコーブは、車いすに乗ったお爺さんが崖から消えるのを見た。介護していたように見えた男は、ひとりで去っていく。驚いて崖の淵までいってみると、そこには「希望の死に方を叶えます」と書いた業者のマッチが落ちていた。
 マッチを頼りに自殺ほう助会社に行くヤコーブ。そこでは、本人が希望する日時・死に方を叶える裏稼業が行われていた。ヤコーブは「いつどんな方法で死ぬかわからない」サプライズという商品を注文した。「なるべく早くやってくれ」と希望を告げるが「それも含めてサプライズだ。いつやるかはこちらで決める」と言われる。
 そこで同じくサプライズを注文した女性客・アンネに出会う。

 屋敷に戻ったヤコーブ。屋敷には高級車が数十台あり、執事やメイドをたくさん雇っていた。廊下の壁には先代、先々代…と肖像画がある。ヤコーブは生まれたときから大富豪であったが、先代が亡くなったショックで4歳のころから、笑う、怒る、泣く、等の感情をほぼ失くしていたという。執事長の老人・ムラーは、メイド長だった奥さんを半年前に亡くし孤独にうちひしがれていたが、庭のバラ園を造りながら、大勢の雇用管理も含めた執事長としての仕事をまっとうしていた。
 ヤコーブは、財産はあらかたを財団に寄付することにし屋敷も売り払う段取りを奨めた。書い手も現れ契約書にサインもするが、契約には「72時間以内ならヤコーブ側の意思で理由に関わらずキャンセルできる」という決め事があった。すでにサプライズを申し込んでおり、いつ決行されるかわからないヤコーブは「そんなルールいらない。すぐに決めたい。」というが、双方のためのルールだから変えられない、と言われる。
 アンネはヤコーブに電話をかけた。気になったヤコーブもアンネが臨時で手伝っているという占いの店に行く。アンネは占いやスピリチュアル的なことに興味があるようだ。アンネは「私が業者の差し金=サプライズだとは考えないの?」と聞く。ヤコーブは「そんなことは関係ない」と答える。二人で街を歩く。
 「君はどうして死にたいの?」と聞くヤコーブに「死ぬってことは、ひとつ階段を上がることなの。この階で私は幸せになれないの」と、死生観を語るアンネ。

 大型トラックがブレーキの故障で暴走してくる。「来た。これだ!」と思ったヤコーブはわざと道路の真ん中に出る。アンネと手をつなぎ棒立ちになるが、トラックは二人に衝突せずに横転してしまう。アンネと手をつなぎながら「なにかを感じた」というヤコーブ。
 二人は海に行き、アンネはヤコーブが得意な社交ダンスを教わる。海辺で肩を抱き腕を組み歩調を合わせて踊る二人。その光景を遠くから写真に収めている自殺会社の従業員。

 アンネともう少し一緒にいたくなったヤコーブは、自殺ほう助会社へ行き「決行を延期してくれ。」と話すが「一度申し込んだ事は変更できない」と突っぱねられる。ボスのパソコンに部下からヤコーブの素行調査の報告があがってくる、アンネとデートしている写真を見たボスは「これは良くない。」と感じ、依頼されているサプライズをこの場で決行すべく部下に指示を出す。
 その動きを感じたヤコーブは逃げようと、従業員を銃撃するな暴れまくり、アンネが待っているクルマに飛び乗る。後ろから追いかけてくる従業員たち。逃げるヤコーブ車。銃撃する従業員車に驚くアンネ。「銃殺はルール違反よ!」と怒る。「銃殺や暴力は後世までカルマが残るから絶対にダメなの。」とまた死後の世界ルールを語るアンネは、得意のドライビングテクニックで追手をかわす。

 ホテルに隠れた二人だったが、従業員たちはホテルを突き止め、廊下にいたアンネをさらってしまう。裏のゴミ置き場に放り出されたアンネの前には、自殺会社のボスと従業員が四人。絶対絶命…と思われたが。
 「どうして早くやらないんだ。」「私の仕事。任せるって言ったでしょ?」アンネは自殺会社の社員だった。しかも、会社は家族経営で、従業員たちはアンネの兄。ボスは父だった。
 兄弟たちの監視のもと、山の中の別荘にいくアンネとヤコーブ。そこでヤコーブは荷物の中の拳銃から、アンネが会社の人間だと知ってしまう。
ヤコーブはそこで初めて怒る。4歳から感情を失くしていた男が、怒ってイスを蹴っ飛ばす。寄付をやめ屋敷売却もキャンセルをしてアンネと暮らそうと提案するヤコーブ。キャンセルの電話をかけようとするヤコーブを銃殺…したかに見せ方のはアンネの偽装だった。寝袋にくるまれたフリをして車に乗せられたヤコーブは、道中、奴らの目から逃れひとりで逃げる。
 残り時間の迫った手続きのために急いで弁護士事務所に行く。途中、弁護士が裏切り邪魔をするが、最終的には無事にキャンセルが認められ屋敷も戻った。
 アンネの父であるボスから、結婚を許してもらうための条件が告げられる。今後、一緒に自殺ほう助会社をやっていくこと。そのために、最初の依頼者の元へ行って仕事をしてくること。仕事とはつまり依頼者を殺すこと。
 指示された安アパートの一室に入ると、そこには執事長ムラーがひとりで居た。驚いたヤコーブは「屋敷は売らないことにした。バラ園もそのままだ。戻れるんだ。」というヤコーブに「もういいのです。そろそろ妻に会いたい。向こうで二人で暮らしたい。」というムラー。そしてヤコーブが少し目を離した間にムラーは静かに息を引き取っていた。
 そこに現れたアンネに「僕がサプライズだと気づいただろうか?」と聞くヤコーブに「彼はサプライズを選んでないわ。彼が選択したのは『好きな人に見送られる』よ。」と言う。ムラーの葬式は、彼が大事に育てていた庭のバラ園で行われた。

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つまりこんな映画(語りポイント)

 簡単にいいますと…『大富豪の青年が財産も屋敷も命もすべてを手放すことを望むが、幼い頃から欲しいものは何でも手に入った彼が、女性を好きになることにより開眼し、好きな人と一緒にいたいという感覚や、なにかを失う切なさを覚え、あらためて生に目覚める。』お話。
 最後の執事長のエピソードは感動的で、ハートウォーミング好きな人や、鑑賞後に温かい気分になりたいというニーズなら楽しめる作品なのだと思います。主人公とヒロインが、互いに今まで足りなかった部分を補完しあってハッピーエンドという構図も定番中の定番ですが、そこは普遍的で良いのでしょう。

 また、製作国のオランダは安楽死が認められているらしいですが、高齢化社会や尊厳死について語ろうとすれば語れる映画でもあります。
 自殺ほう助会社なんてものも、将来、実際に出てきそうなビジネスだし、そのあたりは風刺的なブラック・コメディですね。

 一点、脚本上で納得いかないところは、どうして序盤でアンネにわざわざ「私が業者の人間だったらどうするの?」と言わせたのか。つまり種明かしのヒントを先に出しちゃったわけで、ミス・リードを狙ったのだとは思いますが。それによって肝心の「仲間だった」種明かしシーンでガッカリしちゃいました。前フリのセリフがなかったら「おー、そう来たか」と感心できたのに。

 正直、後半の展開は「もったいない!」が感想です。

 基本設定が面白く、前半はアンネが妙にスピリチュアルだったり自殺ほう助会社の従業員たちがインド風で良い味を醸し出していたり。そこからもし「クセのある映画」に持って行きたければできる要素があって、クセあり映画好きな僕としては歯がゆかったです。

 ひとつ、これは完全に僕の勘違いでしたが、後半の別荘で、アンネの正体を知りながらも一緒に暮らして行きたいと寄付や屋敷売却をキャンセルしようとするヤコーブ。「キャンセルできるの?」と驚くアンネ。次の瞬間、電話をかけようとしているヤコーブに向けてアンネが銃を発砲!…というシーンがあります。実は発砲したのはお芝居で「仲間を騙すため、ヤコーブを逃がすためのお芝居」へと繋がっていくわけですが。
 僕は、発砲の瞬間、まったく違う展開を想像して勝手に「おっ!(なにかどんでん返し設定が出てきそうな予感♪)」と思ったのですが、違いました。 
 同じような惜しいシーンがいくつかあったような…。それくらい、ところどころのシーンの作り方は巧いのです。期待のさせ方というか。
 後でガッカリするにしても観ている間はそれなりに楽しめる…そんな映画かと思います。