【映画で語ろう】カムシネマ★3分で語れるようになるポイント【ネタバレあらすじ】

映画を観たなら語りたい。映画の紹介から、ネタバレあらすじ、著者の独断と偏見による「語りポイント」まで。

3分で映画『スウィッチ』を語れるようになるネタバレあらすじ

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基本データ・おススメ度

『スウィッチ』
原題:swith
2011年フランス
監督:フレデリック・シェンデルフェール
出演:カリーヌ・ヴァナッス、エリック・カントナ、メーディ・ネブー、オーレリアン・ルコワン
 おススメ度★★☆☆☆(2/5)
 やりようによっては面白くなるネタですが、残念ながら意外性は少ない。ただ、普通の女性のはずの主人公がえらい強くて、刑事相手にもメチャクチャやっちゃうアクションは意外!な収穫、必然性なく何度かオッパイも見せてくれるし、観ている間はそれなりに楽しめる映画。終わってから「ん、ん~?」となりますが。

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◆目次

 

あらすじ(ネタバレなし)

 モントリオールに住むカナダ人デザイナーのソフィ。仕事絡みで知り合った女性からスイッチ・コムというアパート交換サイトを紹介される。見知らぬ相手とアパートの部屋を交換してバカンスを楽しむという主旨。興味を持つソフィ。

 さっそくサイトにアクセスしたソフィは、パリに住むベネディクトという女性とアパート交換をすることになる。宅配でお互いの部屋の合鍵を送りあう。相手とは面識もないまま、パリに飛ぶ。豪華なアパートや部屋からエッフェル塔が見えることを喜ぶソフィ。街でイラン人をナンパしたり観光を楽しむ。

 しかし、翌朝、起きると頭が痛い。誰かに睡眠薬を飲まされて熟睡していたようだ。と、部屋に警察が押し入ってきて、ソフィはいきなり逮捕される。昨日は開かずの間になっていた部屋から、男の頭部のない死体が発見された。

 「私は昨日の朝、パリに来たばかり。何も知らない。」と言うが、偽造されたパスポートにはソフィの写真にベネディクトの名前が入っているし、凶器にはソフィの指紋が。スイッチ・コムというサイトは存在せず、部屋にあったはずのソフィの荷物はなくなっていて身元を証明できない。部屋にあった服はピッタリ、ソフィのサイズと同じ。
 警察が調べたベネディクトの素性は、妄想癖のある精神異常者で、警察では、誰もソフィの言葉を信用してくれない。

 そのころ、モントリオールのソフィの部屋には、女(本物のベネディクト)が到着し、偽造した身分証明書でソフィとしての暮らしを始めていた。

==以下ネタバレ==

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ネタバレあらすじ

 シビレを切らせたソフィは、担当のフォルジャ警部から銃とベディクトのカルテを奪い逃走。

 途中、日本人女性が運転する車を襲い、現金を奪う。服を買い替え、ホテルに逃げ込む。ところどころの監視カメラにソフィの姿が写っている。追う警察。

 ホテルから、交換サイトを紹介してくれた女性に電話。しかし、女性は浴室で殺されている。次に、カナダの母親に電話。「すぐに私の家へ行って身分証明書を取ってきて」と頼む。母親は不穏な事態を察して猟銃を持って部屋に入り込むが、部屋の中で、殺された男の頭部を発見し、ベネディクトに殺されてしまう。その後、家を燃やすベネディクト。

 ベネディクトのカルテから、住所、母親の住所、電話番号、など情報を書き出すソフィ。

 警察は、高名なアーティストだというベネディクトの母親の邸宅に向かう。ベネディクトの母親は、娘とは8年も会っていないらしいが、ソフィの写真を見て「少し変わったけど娘よ。」と言う。フォルジャ警部は、密かに、母親の髪の毛を採取してポケットに入れる。

 母親の家から戻る途中、警部がソフィの姿を見かけ、追いかけっこになる。他人の家の庭や部屋の中まで通りながら、走る、走る。最後はスクーターを奪って逃げきるソフィ。

 ソフィの滞在するホテルを突き止めた警察は、ベネディクトのカルテを見て「どうして自分の住所や母親の名前に下線が引いてあるんだ?」と不審に思う。

 ソフィはパリ初日に町であったイラン人の男に連絡を取り、助けを求めて部屋に行く。しかし、男もどうやらベネディクトに雇われていたようで、ソフィは逃走。事故で男は転落死。イラン人の建築家と聞いていた素性は嘘で、薬の売人だった。

 カナダのソフィの家が燃やされた事件で、母親のDNAを採取。

 殺された女性(サイトを紹介してくれた女性)のパソコンには、サイトを丸ごと削除する違法ソフトが入っていて、数日前に口座に大金が入金されていた。

 ベネディクトはパリに戻ってきていた。部屋でベネディクトに襲われどこかに連れて行かれるソフィ。

 最初に殺された男の両親からの聴取。

 警察はようやく事実を掴んだ。ソフィとベネディクト、最初に殺された男、三人は異母兄弟だった。その昔、お金に困ったソフィの父親が精子バンクに登録し精子を提供。不妊治療をしていた、ベネディクト、殺された男、のそれぞれの母親が、ソフィの父親から提供された精子を使って妊娠。生まれた子がベネディクトと殺された男だった。

 ベネディクトは「あなたは父親と一緒に幸せな生活。私はこれだけ。」と父親の精子が入っていたらしき容器を見せる。動機は逆恨みだった。ボコボコにされるソフィ。

 警察がかけつける。警部がベネディクトを銃殺、ソフィを救出した。

つまりこういう映画(語りポイント)

 見知らぬ人とアパートを交換する。そんなシステムが欧米にあるのかどうか知りませんが、知らない人の家具を使って知らない人のベッドに寝る。知らない人は、自分の荷物や身分証明書も置きっぱなしの部屋で過ごしている。…なんて、あまりにも不用意な状況に「なにかの事件に巻き込まれても自業自得。」と思えてしまい、いまいち主人公に感情移入しにくい。

 その設定を寛容にスルーすれば、前半はそれなりに面白い。

 それも、サスペンスの面白さではなくアクション物として面白い。

 主人公ソフィが顔に似合わずえらい強い。刑事をまくほど足早いし、一般の人からスクーターを奪うのに思い切りブン殴って倒したり、意外にメチャクチャするところが観ていて楽しめる。物語はたいして面白くないけど、さほど退屈ではないのはアクションのおかげ。

 ソフィ役のカリーヌ・ヴァナッスという女優さんが、顔はかわいいのに肉感的なボディだったり、必然性もなく何度かオッパイを見せてくれたり、男性ウヒャ~度も高く、いかにも日本人男性が好きそうな、ソフィ―・マルソーやナオミ・ワッツに似たタイプの女優さんですしね。

 脚本のほうは…う~ん、ありきたりすぎて、意外性はゼロに近い。精子提供で産まれた子供が、親を恨むのはアリだとしても(それも個人的には理解できないけど)、会ったこともない異母兄弟を探しだして殺したいとまで思うか?と考えると、やはりリアリティはない。

 ただし、それもまた「なにが起こるかわからない都会の怖さ」「(精子バンクも含めた)システムの怖さ」を言いたいのだとしたら、理解できる範囲ではある。

 「都会の怖さ」を言いたいであろうことは、ソフィが警察と追いかけっこをして住宅街を走り抜けるとき。普通に暮らしてる一般家庭の中を遠慮なくぐちゃぐちゃにしていくシーンや、イラン人との追いかけっこで、妊婦さんを押し倒して逃げるシーンから推察できる。

 あれらは「彼女が漠然と憧れた『都会の暮らし』って、こんなに危険と隣あわせなんだぜ。」というメッセージになっていて、比喩表現として面白かった。

 ネタとしては、もっとひねりようがあったはず。例えばですが、ソフィは本当に妄想癖のあるベネディクト本人で、ソフィという存在や、アパート交換の流れがすべて彼女の妄想だった…なんてオチにしてくれたほうが良かったかも。

 また、ネタバレ一切をセリフで一気に説明しちゃうところも興ざめ。唐突な終わり方も、狙いがわからない。

 終わってみれば「ん~?」だけど、観ている間はそれなりに楽しめる。そんなタイプの映画でしたね。