基本データ・おススメ度
『サイの季節』
原題:Fasle kargadan
2012年 イラク・トルコ
監督:バフマン・ゴバディ
出演:モニカ・ベルッチ、ベヘローズ・ボスギー、ユルマズ・エルドガン
おススメ度 ★★☆☆☆(2/5)
監督自身もイランからの亡命者。こだわりの脚本ではあるのあろうけども…。「わかってもらえなくてもかまわない」と監督自身がおっしゃっている通り、独りよがりでわかりにくい。かなり豊満になられたモニカ・ベルッチ様を堪能しましょう。
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◆目次
あらすじ(ネタバレなし)
イラン・イスラム革命時、ある男の企みによって不当に逮捕された詩人サヘル(ベヘルーズ・ヴォスギー)。30年後に釈放され、生き別れとなった最愛の妻ミナ(モニカ・ベルッチ)の行方を捜し始めるが、政府の嘘によって彼はすでに「死んだ」ことにされていた。一方、夫の死を信じ込まされ、悲嘆にくれるミナにはある男の影がまとわりつく。その人物こそがサヘルを監獄送りにし、ミナとの間を引き裂いた男アクバル(ユルマズ・エルドガン)だった……
長い刑期を終えて詩人のサヘル(ベヘルーズ・ヴォスギー)が釈放される。
しかし、シャバでは彼は、すでに死んだことになっている。
場面は30年前、サヘルはミナ(モニカ・ベルッチ)と幸せな結婚生活を送っていた。運転手アクバルは、密かにミナに恋心を寄せていて、ある日、クルマの中で思い切り告る。告ったことがバレてアクバルは殴られ解雇される。
==以下ネタバレ==
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ネタバレあらすじ
やがて革命が起き、サヘルの書いた詩は反体制とされ禁固30年を言い渡される。妻のミナも共謀罪として10年の判決だった。サヘルを密告したのは実は、運転手を解雇されたアクバルだった。アクバルは革命のどさくさに紛れて偉い人になっていた。その立場を利用して、刑務所内でミナに迫るが拒否されたもんで、無理やりヤる。そこでミナ妊娠。
刑務所で双子の子供を産んだミナは刑期を終えて釈放される。サヘルの釈放を待つミナに「サヘルは獄中で死んだ」との嘘の知らせが届く。ミナは、サヘルの(偽の)墓の前で泣く。そこにアクバルが姿を現す。
やがて刑期を終えて釈放されたサヘルは、ミナを探す。ミナはトルコにいると知り、イスタンブールに向かう。ミナは、サヘルが死んだものと思い、サヘルの書いた詩をタトゥーにして他人の肌に彫りつける彫師になっていた。
ミナを発見したサヘルだったが、なぜか、そこでも相変わらずの超・無言を貫きとおしたサヘルは、特に何も言わず、名乗りでるわけでもなく、ミナに背中へのタトゥーを彫ってもらっただけで去っていく。、
つまりこんな映画(語りポイント)
監督のインタビューによると、監督自身も故郷・イランから亡命した人。また、サヘル役のベヘルーズはイランの俳優だったが、イラン革命後に亡命し、35年ぶりの映画復帰だったらしい。そんないろんな思い入れや、複雑な歴史、深い感情が渦巻いた映画…なんでしょうけども…、
いやいや、そんな複雑な政治的なこと…面倒くさいです。
そんなところはスルーして「モニカ・ベルッチがまるでモニカ・ベルッチのぬいぐるみを着ているのかと思うくらいカラダが大きくなってるやん!」なんてことで僕は充分だ。
映画は、説明が少なく意味のわかりにくい。サイや馬が突然出てきて横切ったりする。そこを紐解いて、こじつけて、いろいろわかったように語るのも悪くはないと思うけど、そこも「カントク、動物が大好きなんやね」という感想でも、特に問題はない。
過去の監督作品が「亀も空を飛ぶ 」「ペルシャ猫を誰も知らない 」「酔っぱらった馬の時間 」という題名だと聞いたら動物好きな変な人としか思えないから。
監督いわく。
「いままでの映画は、お客さんを自分の家に呼んで、何かごちそうしてあげるような気持ちで作っていた。『サイの季節』は、誰かにサービスしてあげるという気持ちがなかった。」「その結果、このような映画が出来上がりました。私のプライベートに近い映画を作っても、誰も観に来てくれないでしょう。だから、モニカ・ベルッチに出演してもらったのです(笑) 」「かつての映画はストーリーを重要視し、この映画はイメージとサウンドを大事にしました。」
監督自身が「わけわからない映画でごめんさい。」とおっしゃってるわけなので。
映像は綺麗です。 俳優の演技でも素晴らしいです。
そしてなにより素晴らしいのは、歳を重ねてもカラダが肥大化しても、それでもやはり美しいイタリアの至宝・モニカベルッチ様。
▼もうちょい若くて、カッ飛んだモニカ・ベルッチ…ならコレ。元・旦那のヴァンサン・カッセルとのコンビ「ドーベルマン」。