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基本データ・おススメ度
『ギルバート・グレイプ』
原題:What's Eating Gilbert Grape
1993年 アメリカ
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:ジョニー・ディップ、レオナルド・ディカプリオ、ジュリエット・ルイス、メアリー・スティーンバージェン
おススメ度 ★★★★★(5/5)
まだ子役だったレオナルド・ディカプリオの天才ぶり。イケメンの若者だったジョニー・ディップ、この頃売れまくっていたジュリエット・ルイス。俳優たちの魅力とともに、田舎町で力強く生きる人間たちを描いたハートウォーミングの傑作。間違いなく良作。なんの心配もなく観てください。
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◆目次
あらすじ(ネタバレなし)
アイオワ州の小さな町から生まれてから一度も出たことがないギルバートには、重い知的障害を持つ弟アーニー、夫の自殺から7年間も家から出たことがない肥満で過食症の母、そして2人の姉妹がおり、食料品店で働きながら家族の面倒を見ていた。そんな時、旅の途中でトレーラーが故障し、ギルバートの町にしばらくとどまることになった少女ベッキーと出会う。(wikipedia)
田舎町で家族のために過ごす青年が、新たな希望を求め、成長していく物語。
小さな田舎町で、知能障害のある弟アーニー(レオナルド・ディカプリオ)など、家族のしがらみを背負いながら生きている若者、ギルバート(ジョニー・ディップ)。母は、父が自殺をしたショックで引きこもり「昔は美人だった」はずが、今はまともに動けないほど太ってしまい、町の住民からも馬鹿にされている。。ギルバートは姉と妹と三人で、母とアーニーの面倒を見ている。
アーニーは町の煙突に登ってしまい、町中の人を困らる。近所の綺麗な奥さん、ベティ(メアリー・スティーンヴァージェン)は、ギルバートが配達にくるたびに旦那の目を盗んで誘惑してきます。ギルバートもまんざらではない感じ。そこは男だから仕方ないです。添え膳です。
バタバタしながらも、それらがルーティーンとなっているギルバートでしたが、そこに、新たな刺激が登場します。祖母と一緒にトレーラーハウスで旅をしているというベッキー(ジュルエット・ルイス)が、トレーラーの故障でしばらくこの町に居つくという。
==以下ネタバレ==
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ネタバレあらすじ
ギルバートのベッキーに対する好意は日増しに高まってきます。しかし、ベッキーはトレーラーの修理が終わったら出ていってしまいます。
いろいろあって…、
母が亡くなります。ギルバートは、妹たちと一緒に家具をすべて外に出し、家ごと母を火葬する。
一度は町を出て行ったベッキーが再び町に来た。ギルバートは、ベッキーと共に、残った家族と共に、町を出ていきます。新たな人生に向かって。
つまりこんな映画(語りポイント)
「カマキリの交尾がどんなのか知ってる? 交尾したら、メスはオスの頭を噛みちぎるの。オスの体は交尾を続けるんだけど、交尾が終わるとメスは残りの体も食べちゃうのよ」ジュリエット・ルイスが言う劇中のセリフ。
母の面倒をみて、家族の面倒をみて、なにもなければそのままこの町で年老いていく…はずだったのかも知れない。いわば、男たちは「カマキリ」なのですね。
ギルバートが、ベッキーとの出会いを小さなきっかけにして、母の死を大きなきっかけにして、「自由」を求めて「生き方を変えていく」話です。
どちらがいいという事ではなく、家族のために尽くしてこの町に骨を埋めるのも正しいです。自由を求めて旅立つのも間違ってはいない。
もちろん、母の死はとても哀しいことだけど、燃える家を遠目に眺める彼らから、哀しみは感じない。
絶望は希望のはじまり。破壊は想像の母。
まだ子役だったレオナルド・ディカプリオが天才すぎる。
天才子役って、二十歳過ぎたらただの人になることも多いけど、大きくなっても演技がうまいまま。本物の天才だったのですね。
ジョニー・ディップを誘惑する綺麗な人は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のクララ・クレイトン。…いや、ただそれだけの話ですが。
絶好調のころのジュリエット・ルイスがやっぱりチャーミング。彼女にしては珍しいくらい、普通の女の子役。それはそれで見もの。
個人的に、普通の感動作やハートウォーミングはあまり好きじゃないのですが、この映画は凄く好きなのです。好きな理由は…
「無難に丸く収まってよかったね♪」な物語ではなく「いろいろ大変だけど、まだまだ前途は多難だけど、それでも現状を変えようよ。」という力強い意志の物語だから。