【映画で語ろう】カムシネマ★3分で語れるようになるポイント【ネタバレあらすじ】

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3分で映画『バッド・バディ! 私と彼の暗殺デート』を語れるようになるネタバレあらすじ

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基本データ・おススメ度

『バッド・バディ! 私と彼の暗殺デート』
原題:Mr.Right
2015年 アメリカ
監督:パコ・カベサス
出演:サム・ロックウェル、アナ・ケンドリック、ティム・ロス、ジェームズ・ランソン、アンソン・マウント、マイケル・エクランド、RZA、ケイティ・ネイラ
 おススメ度★★☆☆☆(2/5)
 「まるでダンスのような華麗なアクション」を楽しむための映画。ジャッキー・チェン映画に近い性質のもの。そっち系が好きな人にはおススメ。一応「人を好きになるって素晴らしい」的な恋愛要素もあり、アナ・ケンドリックが好みならそれも良し。ティム・ロス老けた。

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◆目次

あらすじ(ネタバレなし)

 1992年。子供たちが順にカメラに向かって「将来の夢」を語っている。その中に「ティラノサウルスになりたい」という女の子がいた。

 23年後。30歳手前のマーサ(アナ・ケンドリック)。家で彼氏の帰りを待っていると、彼氏は浮気相手と戻ってきていきなりエッチを始る。おまけに3Pに誘われる。ブチ切れたマーサは女友達ソフィの家へ行く。

 ショックからヤケクソになるマーサ。クラブへ行ってはムチャクチャになるまで飲んで歌う。見ていられなくなったソフィは気晴らしにペットショップに誘ってカワイイ猫を見るが、無駄。
 
 そんな時、マーサはスーパーである男とぶつかりそうになる。 棚から落ちる大量のコンドームを、マーサは空中でキャッチ。残りの箱をすべてキャッチしたのはフランシス(サム・ロックウェル)。フランシスは軽いノリでマーサをナンパする。

 フランシスがマーサに話しかけている間も、常にフランシスは狙撃手に狙われているが、天才的殺し屋のフランシスは弾丸さえすべて「見切る」ことができて間一髪で交わしているため、実はガンガン撃たれていることにマーサは気づかない。

 そこでフランシスは、マーサも弾丸をよける才能があるのではないか?と感じ、一段と彼女に興味を持つ。

 組織に追われている天才殺し屋と、男運が悪くダメンズ・ホイホイのアラサー女。二人の出会いは運命的だった。

▼▼以下ネタバレ▼▼

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ネタバレあらすじ

 フランシスは、その昔は一流の殺し屋だったが今は引退。過去の自分の行いを反省し「殺しはいけないもの」との信念が芽生えている男。それゆえに、殺しの依頼が来ると「殺人はいけない⇒依頼人を殺す」というクセがあった。 

 マフィアのリッチーが過去の恨みからフランシスを狙っているが、弟のボン兄弟は内心ではリッチーを煙たがっており「フランシスは依頼人を殺す」特性を利用して、リッチーからフランシスに仕事を依頼させようと画策する。

 中年の殺し屋ホッパー(ティム・ロス)は、元々フランシスの師匠で、今でも殺し屋の仕事を続けながら、フランシスを追う。目的は定かでない。

デートを重ねるフランシスとマーサ。デート中にも相変わらず殺し屋たちとの戦闘になる。マーサはまだ気づいていない。

 部屋で、自分の特殊能力について説明するフランシス。包丁やナイフを複数持ち出し「モノ流れが分かればその先の動きが読める」と、ジャグラーのようにナイフを扱ってみせる。マーサも、なぜかすぐに能力を発揮し、投げられたナイフを軽く手でつかんでみせたりする。

 翌日、ついにフランシスが人殺しをする現場を見てしまいショックを受けるマーサ。FBIに成りすましたホッパーがマーサのところに来て、フランシスの素性や特殊能力、さらに「依頼人を殺してしまう」話をする。

 ホッパーは「殺し屋は常に孤独。友人もいない。」「それが君といると楽しそうだ」「フランシスは君を大事に思っている。」と分析する。複雑な想いのマーサ。

 マーサから別れ話を切り出されたフランシスはショックを受け「もう人を殺さない。」と誓います。それを聞いたマーサは別れ話を取り下げる。

 その後、悪い奴らといろいろあって…

 マーサが誘拐される。リッチーの屋敷に乗り込んだフランシスは、大勢の相手とドンパチを繰り広げるが、もう殺しはしないと決めたフランシスは決して殺さない。

 ガンガン襲ってくる相手に「俺は恋人を迎えに来ただけだ。殺したくて来たわけじゃない。」と宣言し「わかるか?ひとりの人のことが、ず~っとアタマから離れないということが。」と、恋愛の素晴らしさを語る。

 ホッパーも屋敷に現れる。ホッパーは、敵たちを銃撃しながら、フランシスを挑発する。ホッパーの狙いは、フランシスが元の殺し屋に戻ることだった。

 弟ボンの計画は、フランシスが依頼人を殺さなくなったことで狂ってしまい、その思惑がリッチーにバレる。兄弟は殺し合う。

 敵のひとりだった黒人のスティーブと、心が通じ合った感がある。スティーブの才能を認めたからだ。ホッパーにやられそうになったフランシスをスティーブが救う。フランシスはスティーブにホッパーを撃つように指示。撃ったスティーブに「ホッパーには500万ドルの懸賞金がかかってる。受け取れ。」と言う。喜ぶスティーブ。

 フランシスがホッパーと格闘している間、逃げ出したマーサが、追ってきた男二人を銃殺し「私はティラノサウルスよ。」と叫ぶ。

 「終わり!帰ろう。スティーブ、送ってってくれ。」

 数か月後。ベトナム。フランシスとマーサが旅行中。食事をしている二人を狙撃手が狙っている。万事休す。しかし、狙撃手のスコープの向こうから「彼女はど~こだ?」というテロップを出すフランシス。狙撃手が「?」となった時、マーサが至近距離から銃をかまえていた。「残念~バイバイ」狙撃手を撃つマーサ。

 

つまりこういう映画(語りポイント)

 細かい部分を考察する映画ではない。ただ、まるでダンスのような華麗なアクションを楽しむための映画。ジャッキー・チェン映画に近い性質のもの。

 個人的にはどうしても現場目線で見てしまい「わ~、現場めっちゃ大変しょ、これ。」という感想になる。「今のシーンのアクションだけで丸一日だな、きっと。」とか「待ち時間長そう。」とか「雨降らし。ティム・ロスももう若くないし、ここキツイだろうな。」とか。例えばそんな目線も含めて楽しめれば良い。

 余談ですが、実は個人的には「まるでダンスのようなアクション」が好きではない。もっと、人を「倒そう」という意識、「殺そう」とする意識で動かないと殺気が出ないのですね。芝居として嘘になる。が、それはまた別のお話。余談。

 同時に「孤独な殺し屋が、人を好きになることで変わる」恋愛ストーリーでもある。

 主人公は、彼女に「もう殺しはしない」と約束し、ガンガンに攻め込まれながらも最後まで約束を守ります。途中、敵の男に「ずっと誰かのことがアタマから離れないという感覚がわかるか?」と自分の恋愛初期症状を説明したりする。

 映画のテーマは、「誰かのために頑張ろう」「誰かのために生きよう」という意識とその大事さ。そして「人を好きになるって、ひとりの人間の生き方まで変えてしまうほどの事なんだぜ。(=素晴らしい)」というメッセージ。

 アナ・ケンドリックの「これがスでしょ。」と思える自然なパッパラー芝居、アンソン・マウントやRZAら、もちろんティム・ロスも、脇役の存在感もなかなかで俳優陣の魅力は充分。

 劇中の人物相関などは一切気にせずに(気にすると少しややこしいので)アタマをカラにして観るのがおススメ。

▼同じく主演・サム・ロックウェル。こちら傑作です。