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基本データ・おススメ度
『アウト・オブ・コントロール』
原題:88
2015年 カナダ
監督:エイプリル・マレン
出演:キャサリン・イザベル、クリストファー・ロイド、マイケル・アイアンサイド
おススメ度★★☆☆☆(2/5)
ほぼ「メメント」のパクリです。いろいろ付け足して面白くしてあるので楽しめますが、それも「メメント・ネタ」の基本ポテンシャルの高さに依存しているところがあり、単体で評価はしにくいかも。ただ、僕と同様、ヴァイオレンスが好きだったり、ややこしい話を嫌がらない人なら、それなりに面白いはず。
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◆目次
あらすじ(ネタバレなし)
グウェン(キャサリン・イザベル)は記憶障害に陥っていて、ふと気が付くと、ダイナーで銃をカバンに忍ばせて座っていた。片手は負傷していて小指がない。勢いで、ウエイトレスを撃ってしまい逃亡する。
カバンの中にはモーテルの部屋の鍵が入っていた。そこに行ってみるグウェン。
どうやら彼女にはフラミンゴという名のもうひとつの人格があった。フラミンゴはアバズレ風のイケイケキャラで、どうやらギャングのボス・サイラス(クリストファー・ロイド)とつきあっていたことや、サイラスに恋人のアスターを殺されたことを思い出す。自分が追われていることも。部屋のバスタブには、サイラスの元で働いていたときのバーのバーテン・ウィンクスが死んでいた。
「グウェン」と「フラミンゴ」二つの人格で、別の行動をとっている彼女。徐々に記憶を取り戻していきながら、事の真相を探っていく…。
==以下ネタバレ==
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ここがネタバレ!
いろいろあって…バスタブで死んでいたウィンクスを殺したのはグウェンだった。
恋人アスターを殺してしまったのもグウェンだった。それはアクシデントで、そのショックで、グウェンの中にフラミンゴというもうひとりの人格が生まれた。
クライマックスで、警察に囲まれたサイラスとグウェン。サイラスは「世間は最後に残った者を信じる」と言い残し、自分で頭を撃って命を絶つ。
冒頭のダイナーは、フラミンゴ状態のグウェンが仲間とサイラスを殺すための計画だったのだが、偶然流れた、恋人アスターと一緒に聞いた曲で、フラミンゴからグウェンに戻ったというオチ。
つまりこういう映画(語りポイント)
ネタは完全に「メメント」です。
記憶障害でついさっきのことを覚えていない、そのためにすべてが謎になる、誰を信用していいかわからない、過去のフラッシュバック、そして、結局、犯人(?)は自分自身だった、と云う。
メメントのネタって、僕は、十年にひとつの「神ネタ」だと思います。なんてことないストーリーが、見せ方によってミステリーに変貌するという点で。
だから、メメント設定を使っている以上、そりゃ面白くなるのです。この映画も面白いのですが、それは、メメント・ネタのポテンシャルの高さに依存している部分が多いと感じます。
加えて、そこにタランティーノ要素を加えようとしているのですが、タランティーノの模倣作って、みなさん、ひたすらヴァイオレンス部分だけを真似するのです。
タランティーノ映画のキモは、そこで、隙あらばふざけてやろう的な「おふざけ感」にあるのだけど、そこらを模倣するのは難しいのか、ほぼ誰にも真似できない。タランティーノ本人以外は。
さらにこれは完全に個人的な好みになりますが、主演の女優さん。まるでバブルの頃のイケイケお姉さんみたいに、ボディコンのミニスカートからパンツを見せてくれたり、それはそれで嬉しいのですが。二重人格の「おとなしいほう」と「イケイケなほう」があるのなら、キャスティング的に、そこは「おとなしいほう」に合わせて欲しかったです。ちょっと強すぎるかなと。弱さが出せないというか、えっと、なんていうか、いやごめんなさい、ハッキリ書きます。ケバいんです。
クリストファー・ロイドは、何をやってもドクにしか見えませんが(バック・トゥ・ザ・フューチャー偉大)ラストの椅子に座って語る風情がカッコいいです。
ラストで冒頭のシーンのネタバレを見せる構成も好みで、好きか嫌いかといえば、好きなのですよ、このテの映画。
それだけに、もったいないと思う部分も多いという感想でした。
また、原題がせっかく「88」とカッコイイのに、どうして、他の映画と混同してしまうような邦題にしてしまうのか…しかも、きっとわざと混同させようとしてると想像できる。そこはいつもの洋画宣伝部さんへの不満です。