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【映画で語ろう】カムシネマ★3分で語れるようになるポイント【ネタバレあらすじ】

映画を観たなら語りたい。酒でも飲みつつ語りたい。3分で「語りポイント」がわかる映画ネタバレあらすじ集。

3分で映画『バスルーム裸の2日間』を語れるようになるネタバレあらすじ

 基本データ・おススメ度

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『バスルーム 裸の2日間』
原題:Madrid 1987
2011年スペイン
監督:デヴィット・トルエバ
出演:マリア・バルベルデ、ホセ・サクリスタン

 おススメ度 ★★☆☆☆

 スペイン映画の良い雰囲気もあり、僕は好きなタイプの映画ですが、普通は「あまり面白くなかった」という感想になってしまうと思います。

 全編の80%を全裸で演技するマリア・バルベルデという女優さんが美しいです。そこ見たさに観るのはアリです。ただし、同じく80%はジジイの汚い裸で相殺されてしまいます…。

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簡単にいうとこんな話(ネタバレなし)

1987年、マドリッドの暑い夏――。著名なジャーナリストでありながら、年老いてすっかり情熱を失くしたミゲル。彼はインタビュー取材のため、カフェで仕事をしながら相手を待っていた。取材をしに現れたのは、ジャーナリスト志望の女子学生、アンジェラ。彼女の美貌と若さに一目で心を奪われたミゲルは、彼女を部屋へと誘い込む。キスをしようとしたり、服を脱ぐよう要求したり、彼の言動に戸惑うアンジェラ。そして、ひょんなことから二人は裸のまま、狭いバスルームに閉じ込められてしまう。
完全に閉鎖された空間で、親子ほどに年の離れた二人の関係が徐々に変わっていく――。(FOXムービーより)

ネタバレあらすじ

 特にネタバレというほどのことはなく、せいぜい「中盤でエッチしちゃう」→「バスルームの扉が開く」→「彼女は逃げるように帰っていく。」くらいでしょうか。

 ストーリーの細かい部分も含めて以下に書きます…。

つまりこんな映画(語りポイント)

 いかにも偏屈そうな推定60代のジャーナリストのジジイと、彼に文章のアドバイスを受けにきた20歳くらいの女子大生が、全裸で狭いバスルームに閉じ込められてしまうお話。

 いきなり、レストランでウエイターを侮辱するシーンから始まり、このジジイ=ミゲルが、プライドとコンプレックスの塊であることがわかる。
 そこに若く美しい女子大生=アンジェラが登場。彼に自分の書いた文章のアドバイスを受けにやってきた。

 ミゲルは最初からアンジェラの体が目当て。
「君の作品には興味はないが、カラダには興味がある。」

 彼の話は「持論・説教・屁理屈」か「セックスさせろ」の二種類だけ。

 ジジイの無理難題を、困惑しながらも受け取り、割とあっさり裸になる女子大生。「新しい世界へ一歩踏み出す」想いでミゲルに会いに来た…みたいなことは最後のほうで言っている。

 しかし!ジジイ主導で進んだ展開は、バスルームの扉が開かなくなり、全裸で二人っきりになったところから途端に様相が変わる。
 両者が全裸になることで、醜い老体を晒すジジイと、若さ・美しさが一段と強調された女の間で優位性が逆転。
 アンジェラの目線は、あからさまにミゲルを見下しはじめる。ほぼ同情の目。この突然の豹変、この逆転の構図がこの映画のポイント。

 人生でいろいろ「持ってきた」ジジイ。
 若さ以外はなにも「持っていない」女子大生。
そこで、唯一の持ち物(若さ、美しさ)で女子大生が勝ってしまう構図。

 ミゲルはそこでも、言葉(屁理屈)で優位を取り戻そうとしますが、アンジェラはもう余裕。流れから、二人はついにセックスをするのですが、目的を達したジジイは「屁理屈」と「セックスしたい」から「セックスしたい」がなくなって「屁理屈」しか残らない会話になってしまい最悪に。

 ついにアンジェラはキレてしまいます。

「あなたは過大評価されている。」と言われたら「過大評価されたものだけが文筆で生計を立てられる。」と言い返す。あくまでプライドを崩さないミゲル。

2日後、無事にバスルームが開いて、女子大生はさっさと帰宅。

映画終わり。

 いや、本当は、原題からしてもマドリッドの当時の世相を皮肉った社会風刺劇なのだろうけども…。

 ジジイは最初から最後まで感じの悪い男で、まったく感情移入できないのですが、二種類の会話のうち「セックスしたい」モードの時は、ちょっと可愛くて憎めなくなる瞬間がある。もし「屁理屈」がなく100%「セックスしたい」会話しかしなかったら、もっとストレートにエロ親父であれば、もしかしたら魅力的な人間に思えたも知れません。

 そのあたりは、世の男性諸氏は反面教師にすべきところ。

 関係性にもよるけど、相手を口説こうとする場合に、理詰めの説教は逆効果だよと、やりたいなら、むしろ正直にストレートに口説いたほうがマシだよ、と。ほんまか。

  全編、二人の会話が延々と続くのですが、その間、心が噛みあった会話はひとつもない。唯一、心が通じた(ように見える)のは…セックスしている時。そこだけ。やはり、ほぼ別の生き物である男と女の、唯一の共通言語ということか。

 正も負も、すべてを吸収・消化して輝く未来へ踏み出す若者と、いつしか余計なプライドとコンプレックスだけが残った老人。

 持つ者と持たざる者。

 なにかを持つと、つい誰もがやってしまう「傲慢の罪」。
 肩書だの成功だのなにかしらの看板に頼っていると男は「全裸になったとき」に醜態を晒す。やはり大事なのは人間性…というテーマだと思えばわかりやすい。

 女はきっと、老いた男の元に「なにかを確かめに来た」に違いない。誰もが必ず失くしていく若さ、そのど真ん中にいる自分。どこか清々しい表情で、未来へ向かって歩くアンジェラの表情を煽り気味のカメラ位置で捉えて、映画はエンドロールに向かう。