【映画で語ろう】カムシネマ★3分で語れるようになるポイント【ネタバレあらすじ】

映画を観たなら語りたい。映画の紹介から、ネタバレあらすじ、著者の独断と偏見による「語りポイント」まで。

3分で映画『冒険者たち』を語れるようになるネタバレあらすじ

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基本データ・おススメ度

『冒険者たち』
原題:Les Aventuriers
1967年 フランス
監督:ロベール・アンリコ
出演:アラン・ドロン、リノ・ベンチュラ、ジョアンナ・シムカス

 おススメ度 ★★☆☆☆(2/5)

 海、ヨット、三角関係…もう「太陽がいっぱい」から持ってきた定番アイテムに囲まれて、若き、めちゃくちゃカッコいい頃のアラン・ドロンがいます。
 ヒロインのレティシアを演じるジョアンナ・シムカスが綺麗。ビキニの水着にジーパンは反則です。鼻血出ます。そこに中年の魅力全開のリノ・バンチュラが絡んだ三角関係。青春映画。ただ昭和生まれにとっての郷愁・ノスタルジーが差し引かれた時、若い世代の方が観た時にどう感じるか?と考えると★2くらいか。

◆目次

 

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簡単にいうとこんな話(ネタバレなし)

イケメン男、中年のシブい男、芸術家を目指す若い女。の三角関係を、海にヨット、レーシングカー…等と、当時の若者っぽいアイテムを取り揃えて描く青春映画。海底に沈む宝探し…なんてそそる要素も加味されているが、そのあたりのミステリーはあまり意味はなく、単純に三人の友情を描いた映画です。ただただ俳優三人の魅力を堪能するのが正しい鑑賞法。

ネタバレあらすじ

 新型レーシングエンジンの開発を目指す中年男・ローラン(リノ・ベンチュラ)と、パイロットの若者マヌー(アラン・ドロン)、ローランの工房に材料探しにやってきた駆け出しの彫刻家レティシア(ジョアンナ・シムカス)。それぞれに夢を持った三人。
 しかし、三人それぞれに挫折がやってくる。マヌーは映画の撮影で危険飛行をしたからとの理由でパイロットライセンスを停止されてしまう。ローランは完成したエンジンを車に搭載し、自らテストドライブを行うが、走行中に異常が発生してエンジンは爆発。レティシアも、工面してようやく開いた個展の内容を新聞の批評家たちに軒並み酷評され成功の道を閉ざされる。
 傷心の三人はコンゴの海に向かう。そこには数年前のコンゴ動乱の際に国外脱出を図って墜落した飛行機が、莫大な財宝を積んだまま沈んでいるというのだ。一攫千金を狙い宝探しに出る三人。
 しかし、男たちが闇に乗じて襲ってきて、戦いの中でレティシアが撃たれて命を落とす。男二人は彼女の故郷を訪れた。そこには彼女にそっくりの少年がいた。ローランは、その少年の世話をするため島に残った。一度パリに帰ったマヌーも淋しくて再び島へ来たが例の一味に襲われて死んでしまう。
 ひとり残ったローランも、島を去る決心をする。

つまりこんな映画(語りポイント)

 芸術家を目指すレティシアは初の個展で酷評される。パイロットのドロンは免許を失って飛行機に乗れなくなる。リノも新型エンジンの開発が進まず…。夢破れた三人は、海に沈む財宝を求めてヨットに乗る、という設定だが…。

 「夢を追いかける」という感覚も今と昔ではニュアンスが違う。

 当時の時代、会社に入って堅実に働くのがデフォルトであり、就職をせずに自由業を目指すのはそれ自体が「夢」だったのではないか。
 終身雇用が崩壊しインターネットが普及して、個人レベルで起業をする人も増えた現代とは、この設定を以て「冒険者たち」としたタイトルの意味が、少し希薄になるのかな?と云う心配は少しあるが…。

 ともあれ、観る側の世代は関係なしに「当時の青春映画の息吹を思い切り感じる」のが、この映画の鑑賞法になる。

  海、ヨット、三角関係…もう「太陽がいっぱい」から持ってきた定番アイテムに囲まれて、若き、めちゃくちゃカッコいい頃のアラン・ドロンがいます。
 ヒロインのレティシアを演じるジョアンナ・シムカスが綺麗。
ビキニの水着にジーパンは反則です。鼻血出ます。
 そこに中年の魅力全開のリノ・バンチュラが絡んだ三角関係。
 
 男ふたり女ひとりの三角関係…

 そこに妙なノスタルジーを感じるのは、例えば小学生の頃とか、誰もがどこかで経験したようなありがちなシュチュエーションだからかも。
「同じ女のコを好きな男二人、三人で遊ぶ」なんてこと、なかったですか?それでも、一緒にいれるのが嬉しい、楽しい、という感覚。

 アランドロンからの告白をサラッとかわしたレティシアは、リノに「一緒に住みたい」と告る。リノは、ドロンとの友情を優先したのか素っ気ない返事。女のコのほうが現実的で残酷なのはいつの世も同じなのか。男のコは同性の友達の気持ちを考える。

 凶弾に倒れたレティシアを二人で海の中に連れていくシーンが美しい。

 そして、ドロンがレティシアを好きなことを知っているリノさんは、最後、ドロンが息を引き取る間際に、「レティシアがお前と暮らしたいといってたぞ。」と嘘をつく。ドロンはもちろんわかっていて「嘘つけ」と返す。男の子はカッコつけたがるわけですね、常に。

 若いから素晴らしいのか、若くないけど冒険って素晴らしいのか、友情なのか、普遍的という意味のなにかなのか?青春?いや、そんなことよりビキニにジーパン?

 この映画の「何がイイ」を探してほしい。

 こんな単純な映画が「なぜ名作と呼ばれるのか」を感じてほしい。そんな映画です。