【映画で語ろう】カムシネマ★3分で語れるようになるポイント【ネタバレあらすじ】

映画を観たなら語りたい。映画の紹介から、ネタバレあらすじ、著者の独断と偏見による「語りポイント」まで。

3分で映画『ゾンビランド』を語れるようになるネタバレあらすじ

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基本データ・おススメ度

『ゾンビランド』
原題:Zombieland
2009年 アメリカ
監督:ルーベン・フライシャー
出演:ウディ・ハレルソン、ジェシー・アイゼンバーグ、エマ・ストーン、アビゲイル・ブレスリン、ビル・マーレイ
 おススメ度★★★☆☆(3/5)
 ウディ・ハレルソン&エマ・ストーンの名前に釣られて観ましたが、充分に釣られ甲斐があります。ゾンビ映画とはいえ、中身は青春ロード・ムービー風の痛快コメディ。ゾンビの造形以外はさほどグロいシーンもありません。現在ほど売れる前の若いエマ・ストーンを見れるだけでもファンには嬉しいかも。ドタバタだけで終わらず、映画のテーマもしっかりと用意されているハートウォーミングな良作です。2017年現在、続編製作中とのこと。

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◆目次

あらすじ(ネタバレなし)

 地球上にゾンビ・ウイルスが蔓延し、ほぼ全員がゾンビになっていた。

 生き残っている人間は少ない。そのうちのひとり、大学生のコロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)は「生き残るための法則」に乗っ取って行動していた。
 「(走って逃げるために)有酸素運動が大事」「(ゾンビは必ず生き返るから)二度撃ちしろ」「(大抵は車のガラスに頭をぶつけて死ぬから)シートベルトをしめろ」「(よくトイレで襲われるから)トイレには気をつけろ」等等、それらは、過去のゾンビ映画で必ず見たことがある「やられかた」を回避するものばかり。

 彼は、人間の生き残りを探して、両親が住んでいたオハイオ州コロンバスに向かうことに。(それにより「コロンバス」と呼ばれた。)

 道中、屈強でワイルドなオヤジ・タラハシー(ウディ・ハレルソン)に出会い行動を共にする。タラハシーは、どんどんゾンビを殺しながら、ストレス解消にその辺の車を破壊しながら、大好きなお菓子・トゥインキーを求めて旅をしていた。

 生きるためのルールの32番目は、タラハシーの言葉「小さいことも楽しむこと!」が採用された。

 お菓子を求めて入ったスーパーには、人間の姉妹がいた。実は詐欺師のウィチタ(エマ・ストーン)とリトルロック(アビゲイル・ブレスリン)。だが、リトルロックはゾンビに噛まれてしまったと言う。

==以下ネタバレ==

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ネタバレあらすじ

 リトルロックがゾンビに噛まれたというのは嘘で、女詐欺師二人は、コロンバスとタラハシーの武器や車を盗んでいなくなってしまった。

 騙された男二人が、仕方なしに他の車で進むと、路上に盗まれた車が。様子を見に行くと、ウィチタとリトルロックに銃口を向けられる。
 彼女らは車が故障したために、次のカモを探していたわけだが、そもそも生きてる人間が少ないので、罠にかかるのは必然的にコロンバスとタラハシーになる。

 女二人に主導権を握られながらも、結局、四人で行動する流れに。ゾンビがいないという噂の遊園地・パシフィック・ランドに向かう。

 ウィチタたちは以前から詐欺師コンビで、女の色気を使い、男どもを手玉にとって生きてきた。

 オタクのコロンバスは、若くセクシーなウィチタにすっかり惚れてしまっている。 
 
 高級住宅地で有名人ビル・マーレイの豪邸に忍びこんだ四人の前に、ゾンビメイクをしたビル・マーレー(本人)が登場。メイクなのだが、本物のゾンビと間違われてあっさり殺されてしまう。

 すっかり仲良くなってきた四人。コロンバスとウィチタも良いムードに。

 パシフィック・ランドに到着したウィチタとリトルロック。遊園地の電源をオンにする。華やかな遊園地が動き出す。喜ぶ二人。
 しかし、電源を入れたために大量のゾンビが生き返ってしまった。

 逃げる二人。なぜかフリー・フォールに乗る。上下運動を繰り返すフリーフォールの下には大勢のゾンビが。上から銃を撃つウィチタだが、ゾンビが多すぎて間に合わない。

 助けに来たコロンバスとタラハシー。タラハシーは二挺拳銃を西部劇のように振り回しながら、膨大な数のゾンビを次々と始末していく。

 ウィチタを助けようとするコロンバスの前にピエロのゾンビが現れた。そもそも「ゾンビよりピエロが怖い」コロンバスにとって、それは最悪の組み合わせだった。

 生きるためのルールには「ヒーローになるな」というものがあった。しかし、この時ばかりは「ルール変更も必要だ。」と、コロンバスは「ヒーローになる」ことにする。ピエロゾンビをやっつけ、ウィチタを救出。

 遊園地が平和になった。一旦は、ここで解散しそれぞれの道を行こうとするが、大型バイクにまたがったコロンバスは2メートルくらい進んだところでブザマに転倒する。「見てられないぜ、乗れ」と車の助手席に乗せる。
 遊園地の広場では、ウィチタとリトルロックが待っていた。

 コロンバスのモノローグ。
「これまで、欲しいと思ってもずっと手に入らなかったものを、今、僕は手に入れた。家族だ。これからは家族と共に生きていく。」

 まだ生き残っていたゾンビをクルマのドアで殴りつけながら、四人を乗せた車は、遊園地を出発した。

 

つまりこういう映画(語りポイント)

 ホラー映画は食わず嫌いなのですが、エマ・ストーンが出ているという情報に「もしや、エマ・ストーンのゾンビが見れるのか?」と期待して観てしまいました。残念ながらエマはゾンビにはならなかったけど、今よりさらに若々しいエマは可愛いし、ウディ・ハレルソンのハチャメチャぶりも健在で、面白く楽しめる映画。

 エマ・ストーンやウディ・ハレルソンのファンなら、期待外れにはならないでしょう。

 2009年、当時まだ20歳のエマ・ストーン。テレビドラマではすでに売れていたのでしょうが、さすがに「バードマン」「ラ・ラ・ランド」で見せた女優っぽさはまだ備わっておらず、垢ぬけない顔つきが、ハッキリいってテレビタレント・レベルに見える。六本木あたりを普通に歩いていそうな、どこにでもいる若い女の子。
 ただ、そこが良い。女優が「売れるちょっと前に出たB級映画」だからこそ「もしやゾンビ役をやらされてるのか?」とも期待できたわけで。マニア心をくすぐるものがあります。短い丈のレザージャケット、レザーパンツ、中は白いTシャツ…、可愛いだけでなくカッコいい。いわゆる「イイ女」キャラ。ファンなら、その姿を見るだけで満足でしょう。

 ちなみにB級映画と言いましたが、興行収益的にも決してB級ではありません。狙いでわざとB級映画っぽく作っている。そのおふざけ感がこの映画の魅力です。逆に、生粋のホラー・ファンには物足りないでしょうけど。

 登場人物たちが「どうしようもない連中」なのですよ。

 ただ豪快なだけのオヤジ、オタクで取り柄のない男、詐欺師の女。彼らが、ゾンビばかりの世界になったことで、むしろイキイキしているように見える。普通だった頃の生活はあまり描かてはいないですが、人類が崩壊し、資本主義も、階級も、すべてがリセットされた世界だからこそ、彼らの本来の人間的魅力が全開となったのでしょう。それは痛快でもあり、現実を考えると切なくもある。

 コロンバスの「今まで、欲しいと思っても手に入らなかったものが手に入った。家族だ。これから四人で生きていく。だってこの世に四人しかいないんだから」という最後のモノローグは、おちゃらけ映画だから心の準備をしていないところに奇襲でぶちこまれた感で、不覚にも感動する。

 同じ人類同士が、憎み合い、争い、足を引っ張り合う世の中。なにか間違ってないか?もし、人類が四人だけになっても、君らは同じことを繰り返すのかい?

 そんな、現代社会へのメッセージだろうか。

 

▼「ラ・ラ・ランド」の少し前のエマ・ストーン。共演・ライアン・ゴズリング。

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