【映画で語ろう】カムシネマ★3分で語れるようになるポイント【ネタバレあらすじ】

映画を観たなら語りたい。酒でも飲みつつ語りたい。3分で「語りポイント」がわかる映画ネタバレあらすじ集。

3分で映画『スタンドオフ』を語れるようになるネタバレあらすじ

基本データ・おススメ度

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『スタンドオフ』

原題:STANDOFF
2016年 アメリカ
監督:アダム・アレッカ
出演:トーマス・ジェーン、ローレンス・フィッシュバーン、エラ・バレンタイン、ジョアンナ・ダグラス
 おススメ度★★★★☆(4/5)
 ほぼ家の中で行われる準・密室劇。主要登場人物は3人。「低予算でも面白い映画は作れる」の典型例。テーマは定番ながら「愛情の欠損により絶望した人間たちが、愛情により救われる物語。」変な映画ではあるけど、間違いなく良作です。

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あらすじ(ネタバレなし)

 墓地。少女イザベルが親戚の男・ロジャーに連れられて両親の墓参りに来ていた。イザベルはカメラが好きで、常に一眼レフを持ち歩いている。

 同じ墓地で他の誰かの埋葬が行われていたが、そこに殺し屋が現れ、神父ともども全員を惨殺。その光景を、イザベルは偶然目撃しカメラで殺し屋の顔を撮影した。
 巻き込まれたロジャーもすぐに撃ち殺されてしまうが、イザベルは逃げる。追ってくる殺し屋。イザベルに顔を見られたからだ。

 元・軍人のカーターは郊外の一軒家にひとりで暮らしていた。そこにイザベルが助けを求めに来る。しかし、すぐに殺し屋・セイドが追いつき、カーターに向けて発砲。カーターは足を撃たれるが、家に入ってきたセイドに猟銃で反撃、セイドも腹に被弾する。

 二階へ逃げたカーター、一階のフロアに陣取ったセイド。お互いに撃ち合う。カーターの銃弾は残り1発になった。

 セイドは一階から「少女をよこせ。お前は俺の顔を見ていないから見逃してやる。少女を渡せばそれでいいんだ。」というが、カーターは「子供には指一本触れさせない」と拒否する。

 カーターは、息子のサムを自宅の庭の事故で亡くした過去があった。そのショックで妻にも出ていかれ、孤独になっていた。カーターは反射的に「(イザベルを)今度は絶対に守る」と決意する。

 一階と二階にそれぞれ籠城した形となった二人は、互いに負傷しながら、残り少ない銃弾をチラつかせながら、会話による心理戦を始める。

ネタバレあらすじ

 カーターは、二階から、ガラスの破片を階段にばらまく。「これで上がってきたら音でわかる。」それをみて「タダ者じゃないな。」と感じる殺し屋セイド。

 二階。イザベルは名前を聞かれ「バード」と答える。両親がつけてくれたニックネームらしい。両親は交通事故で亡くなっていた。

 (イザベル改め)バードは一階の殺し屋を「怪物」というが、カーターは「そんなことを言うとあいつが喜ぶだけだ。怪物なんかじゃない。」と言う。

 バードがセイドの顔を撮影したと聞いて、フイルムをトイレのタンクに隠すよう指示するカーター。家が燃やされても燃えないように。

 セイドは一階で家にある荷物を物色。子供用のおもちゃや妻の持ち物を見て、カーターの元・家族のことを聞きはじめるセイド。カーターが元・軍人であることも写真で知り「俺はアフガニスタンで秘密工作員だった。元軍人同志、仲良くしようぜ」などと挑発する。

 セイドは良くしゃべる。「俺にも娘がいる。家族を養うためにはなんでもする。お前も家族が大事だろ?他人の娘のために家族を見捨てるのか?」とさらに挑発。
「家を燃やすぞ」との挑発には「燃えてもフィルムは残る。お前には都合が悪いだろ?」と言い返すカーター。

 まるで同級生の喧嘩のように、あれやこれや言い合う二人。

 パトロール中の新人保安官が墓地の惨殺現場を発見する。

 セイドは、カーターが妻・カーラに書いた手紙を発見し、面白がって声に出して読み上げる。息子のサムの事故後、出ていった妻に懺悔する内容の手紙だった。あざ笑うセイドと「あの野郎…」と動揺するカーター。

 カーターが人生に絶望し、自殺まで考えていたと悟ったセイドは「早く自分の頭を打ちぬけよ。予定通りに。時間は戻せない。さっさと降参してその娘をよこせ。」という。カーターは決意の表情で「お前が来い」と強く言い返す。

 バードはカーターに「子供の名前は?会いたい?」と聞く。「毎日そう思ってる」というカーターに「私も両親に会いたい。『失くすものはない』って父さんが言ってた。死んだら会えるかな?」というがカーターは「そんなことを言うな。」と励ます。
 きっと救助は来ないと悟ってる二人だが、カーターは「絶対に君を渡さない。」と約束する。カーターに抱きつくバード。

 一階でセイドが発砲。その音を保安官が聞きつけた。

 セイドが焦ってきた。腹からの出血が増してきたからだ。「病院に行かないと死んじまうぞ」というカーター。「子供が死ぬまで死んでたまるか」と返すセイド。

 カーターたちも焦る理由があった。電気室に燃料を入れていないから夜になると真っ暗になるという。そうなると厄介だ。カーターは明るいうちにバードだけを逃がそうと考える。

 裏の窓からバードを降ろそうとした時、銃声を聞きつけた保安官が家を訪ねてきた。すぐにセイドに撃たれる保安官。降りようとしていたバードもみつかり、慌てて二階に戻る。

 保安官を家の中に入れ、パトカーを納屋に隠しにいったセイドに、カーターが二階のベランダから猟銃を突きつける。しかし「その距離じゃ当たらんぞ、撃ってみろ」と余裕のセイド。おまけに銃弾が残り1発であることも見抜かれてしまった。

 家の中で保安官を撃ち殺すセイド。

 セイドの足音が聞こえなくなった。外に出たと判断したカーターは一階へ降りるが、セイドは靴を脱ぎ、裏口から二階へ上がっていた。二階のトイレに隠れていたバード。一旦、一階と二階に入れ替わる二人だが、カーターが銃撃し裸足のセイドをガラスの破片を巻いた階段に突き落とす。足の裏を怪我して苦しむセイド。

 再び「一階にセイド。二階にカーターとバード」状態に戻る。

 夕刻、「出血多量で死ぬぞ。なぜ助けを呼ばない?」というカーターに「顔を見られたのは俺で依頼主じゃない。俺はカネで雇われている。失敗は許されない。他のクズが俺を殺しに来るまでここを動かない。」と言う。
 カーターは「お前こそわかってない。お前の敵は俺じゃない。ようやくお前のことがわかってきたよ。お前は怪物じゃない。娘もいない。」と言うが、セイドは「いるさ。」と否定するセイド。

 「どうしてそんな仕事をしている?」と聞くカーターに「初めて人を殺した時は落ち込んだ。でも、次の殺しで気が楽になった。すぐに。殺しを重ねるほど良く眠れるようになった。今は赤ん坊のように良く眠れる。好きな一節がある。『けだものと化す者は人としての心を忘れる』これは仕事だ。楽しむためじゃない。底辺を見たら悪魔とも向き合える。」と語る。

 二階。「巻き込んでごめんなさい。」と謝るバードの手を「これには理由があるはずだ。出会えてよかった」と言いながら握るカーター。 
 セイドは、カーターの携帯を利用して、妻のカーラを呼び出していた。やってきたカーラを人質にとるセイド。

 カーターは猟銃をバードに渡し、一階に降りていく。セイドはカーターの足を撃つ。倒れるカーター。「降りてこい」と言われたバードが銃を構えながら階段を降りてくる。

 万事休すのカーターたちだったが、電球がちらついたことに一瞬反応したセイドの隙を狙ってカーターがナイフで襲い掛かる。首を切りつけるカーター。

 カーラはバードを連れて逃げようとするが、バードは家の中に戻っていく。
 瀕死のセイドに猟銃をつきつけ引き金を引くが、空砲。「空だったのか。これまでさんざん苦労したのに、ハッタリだったとは。」と言うセイド。さらに「俺をなんだと思ってる?怪物だとでも思ってるのか?」と言いながら息絶える。

 倒れているカーターの元に歩み寄るバード。泣きながら手を握る。と、カーターは目を覚ました。嬉しそうなバード。

 「私を救ってくれた。」というバードに「救われたのは俺だ。」というカーター。強く手を握り合って…。

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つまりこういう映画(語りポイント)

 ほぼ密室劇ということで脚本的には相当のスキルが必要となります。ただし、そこは正直、さほどうまくない。かなり淡泊で穴だらけの脚本ではあるのです。もっといろんな展開を考え付くはずなのです。やろうとすれば。ただ、そうしなかったところにむしろ狙いがある気もしています。 

 息子を事故で失くし、妻にも出ていかれて、自殺を考えていた元・軍人のカーター。両親を失くした少女・バード(イザベル)。

 思わぬ出会いによって、お互いに救われる物語。

 さらには、悪者のセイドも、殺し屋ではあるが「家族のため。生きていくため。」に仕事として殺しをしている。「好きな一節がある。『けだものと化す者は人としての心を忘れる』これは仕事だ。楽しむためじゃない。底辺を見たら悪魔とも向き合える。」と寂しそうに語るシーンもあり、前半はただのサイコ野郎かと思われた男の意外な悲哀も描かれていて、物語に深みを与えている。

 時折、銃撃シーンもありますが、あらかたは一階と二階に別れての「口喧嘩」がメインで、まるで同級生の喧嘩。

 それは、構図の面白さもありますが、言葉が、心を突き刺す言葉が人を動揺させたり怒らせたりする。時には銃弾以上に人の心を殺してしまう場合もあるという怖さ。深読みするなら、そんな「言葉の暴力」を描きたかったのかも知れません。

 また、言葉で攻撃しているほうも、「しゃべる」ことで段々とボロを出したり弱みを見せていく流れが興味深い。つくづく「沈黙は金」ということか。

  と言いつつ、さほど深読みする必要もなく「人間は他者の愛情により救われる」というメインテーマに素直に感動すべき映画。

 いろんな映画のレビューで何度も同じことを書いている気がしますが…、

「罪を生むのは愛情の欠損。」
「救いは、誰かの愛情。それしかない。」

 やはりそれが結論ではある。