【映画で語ろう】カムシネマ★3分で語れるようになるポイント【ネタバレあらすじ】

映画を観たなら語りたい。映画の紹介から、ネタバレあらすじ、著者の独断と偏見による「語りポイント」まで。

3分で映画『ヒドゥン・フェイス』を語れるようになるネタバレあらすじ

▼作品名・俳優名などで検索▼

基本データ・おススメ度

f:id:kyojikamui:20171219230635j:plain

『ヒドゥン・フェイス』
原題:La cara oculta
2011年 コロンビア・スペイン
監督:アンドレス・バイス
出演:マルティナ・ガルシア、キム・グティエレス、クララ・ラゴ
 おススメ度★★★★★(5/5)
 これは面白い。アイデアと脚本の勝利。ジャンルはスリラーということになっていますが、怖がらせるスリラーではなく、ごく日常の中での「女の怖さ、ブラックさ」を描いたスリラー。とはいえ、めちゃ笑えるシーンもあり。拾いモノ気味の傑作!

 時系列が2段階になっている脚本構成も個人的に好みで、一切のネタバレなしで観るほうが、中盤のタネ明かしを堪能できます。。

<広告>

 

あらすじ(ネタバレなし)

 アドリアンのスマホに、恋人ベレン(クララ・ラゴ)からの別れのメッセージ動画が届いていた。「貴方のことが好き。でも、もう自信がない。」

 指揮者のアドリアンは大きな屋敷に住んでいてお金持ち。どうやら浮気癖があるようで、ヘレンはそんなアドリアンを見切ったのか、どこかに消えてしまった。

 アドリアンは、気晴らしに街に出る。バーの店員・ファビアナ(マルティナ・ガルシア)と出会う。酔っぱらって怪我をしたアドリアンを、自宅に連れて帰って介抱するファビアナ。しかし、翌朝、素っ気なく部屋を出ていくアドリアン。

 夜、バーに行ったアドリアンは「今朝の態度は悪かった」と謝る。冷たくしたのは口説くための作戦か。次に、仕事場である音楽ホールに連れて行きキスをして口説く。そして、自宅へ。

 アドリアンの自宅。鏡の前で裸になるファビアナ(Aカップ)。愛し合う二人。

 翌朝、洗面所で歯を磨くファビアナ。微かに音が聞こえた気がするが、気のせいかと思い直す。屋敷を見てまわるファビアナ。アドリアンがお金持ちであることを確信する。

 そこに刑事二人がやって来る。行方をくらましたベレンの捜索に来た。刑事たちはアドリアンを疑っている様子で屋敷中を捜索するが「事件性はない。男を作ってどこかへ行ったんだ。」と思っているアドリアン。

 バスタブに浸かっているファビアナ。突然、水面が揺れた。シャワーのお湯が突然、熱湯になった。驚いて飛び出すファビアナ。

 背中に軽く火傷を負ったファビアナは「霊がいる。」と言うが、アドリアンは信じない。

 鏡の向こうに…なにかがある。

ネタバレあらすじ

 バー。屋敷に来た刑事のひとりは、ファビアナの元・カレだった。「良かったな。おカネ持ちを捕まえて。刑事の安月給よりはいい。」と自虐的に言いながらも「容疑者だぞ?大丈夫か?」と心配する。「犯人じゃないわ、ただフラれただけ。」と気に留めないファビアナ。

 浴室の怪奇現象がひどくなってきた。とにかく揺れる。音がする。

 ベッドで飛び跳ねて遊んでいたファビアナは、ある「鍵」をみつけるが、どこの鍵かはわからない。

 夜、外はどしゃぶりの雨。今度は壁を叩くような音がする。帰っていたアドリアンに訴えるファビアナだが「排水管に水が流れ込んでいるだけさ」というアドリアン。

 ベレンに似た女性の遺体があがったので確認に来て欲しいと警察から連絡。出かけるアドリアンだったが、遺体はベレンではなかった。

 戻ってきたアドリアンはファビアナに「ベレンのことは忘れる。」と言って抱きしめる。嬉しそうなファビアナだが、なぜか鏡を気にしていた。

<広告>

 

 ※時系列が過去にさかのぼる。

 アドリアンとベレンの楽しかった日々。まだ駆け出しだったアドリアンが交響楽団の指揮者に選ばれた報告。喜ぶ二人。そして、アドリアンはベレンにプロポーズ。輝く未来に向かおうとする二人。

 ベレンが屋敷を内見に来ている。家主のおばちゃんに説明を聞いている。借りるなら犬の世話もしてくれる事という賃貸条件だった。二人は屋敷を借りることにした。新居で幸せそうな二人。

 しかし、アドリアンは浮気性で、楽団の女を家に連れ込んでいるところをベレンに見つかる。「練習していただけ」と言い訳をするが、ベレンはすっかり浮気を確信している。さらに携帯電話の着信記録も見てしまう。「ちょっとした浮気心だ。誰にでもある。本気じゃない。」というアドリアン。

 「スペインの暮らしを捨ててついてきたのに。失敗したかも。」と家主のおばさんに話すベレン。おばさんは「試してみる?」と言うと、部屋の鏡の裏にある隠し部屋を見せる。

 隠し部屋は、その昔、おばさんの夫が戦時中に追手から逃げてやすらかに過ごすために作ったものだと、そして、実際にそうした、と説明する。

 隠し部屋は完全防音になっていて外に音は漏れない。でも、鏡の裏がマジックミラーになっていて、隠し部屋から室内は丸見え。おまけに、スピーカーで音まで聞こえるようになっていた。錆びれてはいるがトイレも洗面所もある。

 ベレンはスマホに向かって演技をし「好きな男ができた。エッチしちゃった。もう無理。」と嘘のお別れメッセージを録画。荷物をまとめて、隠し部屋に隠れた。楽しそう。

 ちょっとした悪戯のつもりだった。

 隠し部屋の中から、戻ってきたアドリアンを盗み見。ビデオメッセージを見て泣くアドリアンの姿を見て、嬉しそうな顔をする。が、ヤケクソな気分になったのか、荒々しい態度を取り出したアドリアンが心配になり、隠し部屋を出ようとする…が、鍵がない。

 慌てて、鍵を室内に忘れたまま、隠し部屋に入ってしまっていた。

 鏡の向こうから「アドリアン!ここにいる!」と叫ぶが、防音で聞こえない。電話をかけようとしても携帯の電波が入らない。ベレンは完全に閉じ込められてしまった。部屋の向こうで泣くアドリアンをみてベレンも泣く。「ごめんね、ごめんね…。」

 隠し部屋にあった工具で壁に穴を開けようとする。賞味期限が何十年も経過していそうな缶詰を食べようとするが吐いてしまう。なんとか水は出るため、命をつなぐベレン。
 
 水道の配管を叩くと、洗面所の水面が揺れることを知ったベレンは必死に叩くが、どしゃぶりの雨に紛れてアドリアンは気づかない。

 と、鏡の向こうに見知らぬ裸の女がやってくる。ファビアナだ。二人が愛し合う姿を音声つきで見せられるベレン。「お願い、やめて!」と泣き叫ぶ。

 一緒に暮らしだしたアドリアンとファビアナ。それをマジックミラー越しに見せられるベレン。すっかりグレてしまったベレンは、鏡の向こうのファビアナを「ヤリマン女!」「それ私の歯ブラシよ!」とディスるが、一瞬、音が聞こえたらしいらしいファビアナに向かって「助けて!」と大声で叫ぶが、やはり届かなかった。

 壁を掘るベレン。その振動でバスルームが揺れ、ファビアナは「霊がいる」と思ったのだった。
 水道管をいじり、シャワーのお湯の温度を調節できることがわかる。ファビアナが浴びているシャワーを熱湯にする。軽く火傷をしたファビアナをみて「ざまあみろ」というリアクション。

 ファビアナがベッドの上で飛び跳ねているのを見て「5歳児か!」と突っ込むベレン。その後、ベッドの脇で隠し部屋の鍵をみつけるファビアナ。その光景を見て「鍵だ!ファビアナ!」と叫ぶが、届かない。

 ベレンらしき遺体がみつかったとの連絡を受けてアドリアンが出かける。鏡の前に来たファビアナは密かに笑顔を見せるが、実は真ん前でベレンが見ている。「くそ、死んでないわ!」と毒づく。

  ふと思い立ったファビアナは、洗面所に水を貼り「霊と」交信を試みる。

 「そうよ、意外にアタマいいじゃん!」と喜ぶベレン。ファビアナの問いかけに排水管を叩いて応えるベレン。思い通りにいって逆にビビるファビアナ。「誰かいるの?」ガンガンガン(yes!)…と、言葉と排水管殴りで会話する二人。

 「アドリアン?」「(違う)」「パパ?」「(ちゃうわ!)」「ベレン?」「(正解~~♪)」「鏡の後ろ?」「(そう~~!)」※めちゃ笑えるところ。

 部屋にある鏡が扉になっているとわかったファビアナは、本棚にある鍵穴を発見…が!少し考えたファビアナはわざと無視。ベレンを閉じ込めたままにした。

 戻ってきたアドリアンにも何も話さず抱き合うファビアナ。それを見て狂乱するベレン。※前半の最後のカット。

 ファビアナの元カレ刑事がアドリアンに「あんたの奥さんに興味はない。ファビアナになにかあったら殺すからな。」と毒づく。

 思い直したのか、ファビアナが洗面所に水を張り「ベレン」と声をかけるが、反応はない。心配になったファビアナは、鏡に「大丈夫?」と書くが。それも反応はない。しかし、まだ鍵は開けない。

 元カレ刑事が屋敷に来て、アドリアンが例の楽団の女を浮気している写真を置いていった。その頃、アドリアンは女に「もう関係は続けられない」と告げていたことは、ファビアナは知る由もない。

 ショックを受けたファビアナは、やっと隠し部屋の扉を開ける。ベレンは奥で憔悴して倒れていた。「ベレン…」と声をかけるファビアナ。と、突然、ベレンがファビアナを殴り、倒れたファビアナを残したまま脱出。逆に、鍵を閉めてしまう。
 
 ひさしぶりに鏡で自分の顔を見たベレン。自分の疲れた表情に驚く。ラジオで、家主が死亡したこと、この屋敷は売りに出されることを聞く。もう、この部屋の存在を知っているのはベレンだけになった。

 ポケットから、楽しかった頃のアドリアンとベレンの写真を取り出すベレン。。

 アドリアンが帰宅すると、犬が吠え、隠し部屋の前までアドリアンを誘導する。ベッドの上には鍵が置いてある。意味のわからないアドリアンがふと、隠し部屋の入口である鏡を見ると、そこには、ベレンとの写真が貼り付けてあった。

 ベレンはひとりで砂浜に座っていた。

 ファビアナは鏡の向こう側に残されたまま。

<広告>

 

つまりこういう映画(語りポイント)

 こりゃまた、拾いモノ気味に面白い傑作。

 アイデアの勝利というだけでなく、脚本的にもしっかりと消化していて、笑いどころもあるわりに「これはスリラーです」という線を最後まで崩していないから、全体に筋が一本通っている印象。

 鏡の向こうに登場した裸のファビアナ。愛し合う二人を見て泣き叫ぶベレン。そこ、めちゃくちゃ可哀想で泣ける。それでいて、女二人の排水管を使った「会話」はめっちゃ笑える。ギャグなのだけど「さぁ笑え」という作りでもない。センス良し。

 総じて、演出のセンスが非常に良い。突飛な設定ながら、演技しすぎずリアルな芝居で、真面目に作られている印象。それぞれの立場で「そうなったら自分ならどうするだろう?」と考えることができるから、どこかしらに感情移入しながら観れる。

 「理解できない登場人物」がいないから見やすいのです。

 前半のなにげない伏線と、中盤、時系列をさかのぼってのタネあかし。

 前半はファビアナ、二部構成の後半はベレン視点になっていて「あーなるほど、あの時」と、細かい伏線が回収されていく、脚本の流れが秀逸。巧いです。

 

 脱ぎっぷりの良いマルティナ・ガルシア(Aカップ)。クララ・ラゴは脱ぎはないけど、色気のある綺麗なお顔。それでいて、あの「排水管ガン!ガン!」のくだりの面白さが尋常じゃない。そんなキレイな顔で良くあんな思い切った芝居するな~と笑いながら感心できる。

 主演女優2人を観ているだけでも飽きない。

 それにしても、女は怖い…。男って、女って、夫婦って、…

「ちょっとしたことで壊れる男と女」男女間の切なさや危うさを巧く描いている。

 これは予想外に絶賛♪でした。