【映画で語ろう】カムシネマ★3分で語れるようになるポイント【ネタバレあらすじ】

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3分で映画『JUNO ジュノ』を語れるようになるネタバレあらすじ

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基本データ・おススメ度

『JUNO ジュノ』
原題:Juno
2007年 アメリカ
監督:ジェイソン・ライトマン
出演:エレン・ペイジ、マイケル・セラ、ジェニファー・ガーナー、ジェイソン・ベイトマン、オリヴィア・サールビー、J・K・シモンズ、アリソン・ジャネイ
 おススメ度★★★★★(5/5)
 16歳で妊娠したジュノが、独特の軽いノリで現実と向き合いながら成長していく物語。シビアな設定だけどまったく重くない。ポップでチャーミング。映画センスの高い傑作。主役のエレン・ペイジが面白すぎる。かわいい映画。

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 ◆目次

あらすじ(ネタバレなし)

 秋。

 16歳のジュノが、同級生の男子と椅子の上でセックスをしたことを回想していると…ワンコが鳴いて回想がストップ。「いいところで邪魔しないで。」

 薬局で妊娠検査薬を三回試して、結果は陽性。ジュノは妊娠した。テスターを体温計のようにフるが「フっても無駄だよ。」と店員が突っ込む。

 親友のリアに相談「どこで処理するの?」。相手のポールの家の前で妊娠を告げるとポールはあきらかに動揺。ジュノはポールの態度がショックだったようで悲しそうな顔をした後「セックスしてごめんね。」と言い放ってその場を去る。

 ジュノはハンバーガー型の電話で産婦人科に電話する。中絶手術に向かうが、病院前で堕胎反対運動をしている友達から「もう赤ちゃんには爪も生えているのよ」と言われ「マジ?」と、中絶をやめます。

 ジュノは、産んだ後に「不妊夫婦か女同士のカップルにあげる」と言う。リアは「募集広告にあるわよ。」とアドバイス。雑誌広告を見る。
 
 ポールの母親は「ジュノは嫌いよ。あの子、変だから」とジュノを嫌ってる。

 ジュノは、両親に妊娠と養子に出すアイデアを告げる。父は空調技師、再婚で義母と義妹の四人家族。両親は養子縁組に賛成しながらも、軽く説教をする。ジュノが二階にあがった後「ポールのナニを握りつぶしたい」と言う父に、母は「最悪な状況でも恵みを受ける人がいる。」と擁護する。

 ジュノは父に連れられ。養子を募集していた夫婦、マークとヴァネッサの自宅に面談に行く。ヴァネッサたちの自宅には夫婦以外に、弁護士の女性ゲルタがいた。相変わらず独特の軽いノリで話すジュノ。話し合いの最中、夫の部屋にギターがあるのを見かけたジュノは「それレスポール?」と反応し、夫と二人で演奏を始め妻を呆れさせる。そんなジュノにやや戸惑いながらも、お互いを気に入るジュノたち。

▼▼以下ネタバレ▼▼

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ネタバレあらすじ

 冬。

 ジュノのお腹は確実に大きくなっている。超音波で病院で赤ちゃんの成長を確認しながら、ジュノたちが喜んでいると、女性の超音波技師が「(養子に出すと聞いて)安心した。10代の母親の家庭環境は劣悪だから。」と言う。ジュノは「私が劣悪?」と怒り、「あなたは何者?(放射線技師と聞いて)あ、そう。私はネイルアーティスト。赤ちゃんの画像を出せると偉いの?」と嫌味を言った義母に「かっこいい!」と笑う。

 胎児の画像を店に、マークとヴァネッサの家に行くジュノ。ヴァネッサは留守で、マークとまた音楽やホラー映画の話で盛り上がる。マークおすすめのホラー映画を鑑賞しているところにヴァネッサが帰宅する。

 帰宅いたジュノに「2時間も外出。アポなしでいきなりいったらダメ。相手は既婚者よ。」と説教する。ポールの家にいきなり遊びに行くジュノ。ポールの両親には最後まで内密にすることをジュノの両親が約束していた。「すべてが終わったらまたバンドをやろう」というポール。

 ヴァネッサは赤ん坊を受け入れる準備を着々と進める。それを見てどこか複雑な表情のマーク。ジュノとリサは街で偶然、女友達の子供をあやしているヴァネッサをみかける。ヴァネッサは大きくなったジュノのお腹に向けて「私のベイビー。ありがとう。」と愛おし気に話しかける。

 

 春。

 マークに電話をし薦められたCDの感想を報告するジュノ。

 ポールが、別の女の子、カトリーナとデートする約束をしていることをリノから聞いたジュノは、すぐにポールのところへ行き皮肉を並べ立てるが、さすがに怒ったポールも「君は最悪だ。」と言い返してしまい、喧嘩になる。

 ヤケクソ気味にマークに会いに行くジュノ。マークは今度は好きな漫画の話をする。、ダンスをしようと立って抱き合っていると、マークは突然「ヴェネッサと別れる」と言う。「何言ってんの?」と言うジュノに「喜ぶと思った」というマーク。マークのプロポーズを受けない理由は「あなたの人生の一部になりたくないだけ」と答えると。マークは「こんな人生、面白くない」と嘆く。

 泣きながらジュノが一階に降りると、ヴぇネッサが帰ってきて揉める。「まだ時期が早い。」というマークに「ロックスターになるってこと?そのTシャツ、バカみたい。一生叶わない夢なんて待っていられない。大人になって。」と皮肉まじりに言う。

 泣きながら帰るジュノ。

 マークは手早く弁護士に相談し、協力的離婚として裁判なしに進めてくれると言う。ヴァネッサは「もう電話したのね。」と言い、二人は離婚に向かう。、

 「やっとわかった。家がこんなに居心地いいなんて」  

 帰宅したジュノは父に「男女が一生一緒にいるなんて無理なのね。」と言うと、父は「俺もその筋の失敗者だが、今はブレンがいてくれて幸せだ。パパが思うに、ありのままのお前を好きになってくれる人をみつけること。不機嫌、上機嫌、すべてを許してくれる人。それなら長続きする。」と言う。

 (おそらく)ポールの顔を思い浮かべ「たぶんみつけたと思う」と言うジュノの次の言葉を待たず「今、目の前にいる、どんなことになってもお前を愛してる。」という父。「う、うん。ちょっと出かけてくる。」「わかった。(さっきの話)パパのことだろ?」という父にテキトーに「うん。」と答えるジュノ。父、嬉しそうな顔。

 ジュノは、ポールの好きなミント飴を100個プレゼントし、いつかの喧嘩の件を謝る。あらためて「あなたのことが好き」と素直に言うジュノ。グラウンドでキスをする二人。遠くからからかうリノに中指を立てるジュノ。

 赤ん坊が生まれた。ポールには連絡しなかったが、彼は感じ取り病院に来る。最初はポールを認めていなかった父も、ポールの肩を抱く。抱き合って涙を流す二人。

 ジュノもポールも、赤ちゃんを見ないことにした。代わりに保育室に来ているのはヴァネッサ。ヴァネッサが感慨深く「自分の子」を抱き上げる姿をみて、義母のブレンが微笑む。ヴァネッサは独りで子供を育てていくことに。

 夏

 ギターを担ぎ、自転車でポールの家に走るジュノ。2人のセッションが始まった。

 つまりこういう映画(語りポイント)

 「10代での妊娠」「中絶」「養子縁組」など、一見、重い題材を扱っているようではあるけど、そのテの題材をマジメに受け取って議論するタイプの映画ではないでしょう。それもこれもあくまでメタファー、作り手が描きたいのは「人間の成長」「家族の在り方」なので。

 ジュノの軽いノリは「大人から見るととんでもないことでも、まだまだ軽々とクリアしていける。」若さの素晴らしさを現わしているのだろうし、ジュノに触発されて、あらためて音楽に没頭しだすマークに芽生えたのは、失いかけていた若さへの憧憬。

 マークの場合は、その代償として大きな犠牲(家庭崩壊、離婚)が伴うのだけど、それも、大人ゆえの現実的な厳しさと若さの限りない可能性を対比させる狙い。

 そして、映画がおそらく一番言いたいことは「どんな状況でも選択肢はある」ということ。崖っぷちに追い詰められたと感じても崖に落ちる結末を回避する方法はきっと無数にある。あきらめるな、勇気を持て、というメッセージ。それは、ジュノたちと、養子募集をしたマーク&ヴェネッサ夫妻の両者に当てはまる。

 開始5分で3回は笑えます。ツカミはOK。妊娠テスターを体温計のようにフって結果を変えようとするところも、現実逃避のメタファーだとか難しく考えるのはやめて、単純にギャグとして笑っておけば良い。

 さらに、部屋の装飾や小道具の小ネタで笑かしてくるところに、映画センスの高さを感じる。ジュノの相談に乗る親友リノの部屋には、壁にセクシーな男性タレントの切り抜きがベタベタ貼ってある。かたやジュノの部屋の壁には意味不明な絵、電話はハンバーガー型。ジュノの彼氏ポールの部屋のベッドはタイヤの形をしていていかにもオタクっぽい。3人のキャラクターを、部屋や小道具でシッカリと説明してくる。

 ジュノの父が、最初は厳格に見えても、やっぱり親子、どこか天然で物事におおらかな面があるのだけど、それを『セッション』の鬼コーチ、J・K・シモンズが演じているというだけで、ちょっとおかしい。

 義母がジュノを本当の自分の娘にように愛している設定も良い。

 とにかく、全編。ジュノを演じるエレン・ペイジの、思ったことをすべて口にする機関銃のようなセリフや、すべてテキトーに済まそうとするキャラクターの面白さ、そして、映画後半で見せるマジメな涙、彼女を満喫する映画。

 「ありのままのお前を好きになってくれる人をみつけること。不機嫌、上機嫌、すべてを許してくれる人。それなら長続きする。」という父のセリフも、ベタだけど、その直後にオチャメな父の表情につなげてシーンを終わらせることでベタな匂いを中和している。そんなセリフを書いちゃった脚本家の照れ隠しにも思えて、ほのぼのします。

 ほんわか暖かい気分になれる、映画センスの高い傑作、