【映画で語ろう】カムシネマ★3分で語れるようになるポイント【ネタバレあらすじ】

映画を観たなら語りたい。酒でも飲みつつ語りたい。3分で「語りポイント」がわかる映画ネタバレあらすじ集。

3分で映画『ドント・ブリーズ』を語れるようになるネタバレあらすじ

基本データ・おススメ度

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『ドント・ブリーズ』
原題: Don't Breathe
2016年 アメリカ
製作:サム・ライミ
監督:フェデ・アルバレス
出演:ジェーン・レヴィ、ディラン・ミネット、ダニエル・ゾヴァット、スティーヴン・ラング
 おススメ度★★★☆☆(3/5)
 めっちゃ疲れます、良い意味で。しつこいくらいに繰り返される「まだ安心じゃなかったんか~い!」な展開。ほぼジェットコースター。途中、あらびっくりなサプライズ設定もありで、単純に楽しめる映画。この映画の勝因は、安易な勧善懲悪に走らず「悪VS悪」の構図にしたところ。まるで、激しい格闘技の試合を観たあとのようなアドレナリン全開の爽快感を味わえます。ほぼアトラクション的におススメ。

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あらすじ(ネタバレなし)

 荒くれ者のマネー、その恋人ロッキー、根は真面目な青年アレックス。三人は、他人の家に侵入して盗みを働く窃盗団。
 
 今回、マネーが目をつけたのは、ブエナビスタ通りの古い家。住んでいるのは盲目の元・軍人。交通事故で娘を失くしたが、その時の示談金で大金を得たことがわかっている。ほとんど自宅から出ないで過ごしている盲目の老人なら楽勝だと言うマネー。

 「やらない。10万ドル以上の強盗は重罪になる。」と嫌がるアレックス。。ロッキーが「これが最後。成功すればもうそんなことしなくても暮らせるじゃん。」と説得する。

 ロッキーの家庭は、父と別れてアル中になった母と新しい男が居る。それが気に入らないロッキーは、密かに、幼い妹と二人で家を出てカリフォルニアに行くことを夢見ていた。 

 迷っていたアレックスだが、新聞記事で見た老人の示談金の額に心が揺らぐ。「それだけあれば、これで最後にできる。」ロッキーの携帯に「よし、やろう。」とメールした。

 見るからに不良少女っぽいロッキー。タトゥーをたくさん掘っていたが、新しいタトゥーは「てんとう虫」。アレックスに意味を聞かれ「子供の事、良く母親に説教されて車のトランクに閉じ込められた。ある時、そこにテントウムシが紛れ込んできた。しばらく一緒に過ごした。心地良かった。」と語る。

 今度の強盗がうまくいったら、もうすべてやめてカリフォルニアに行きたいという。僕も一緒にいくと言うアレックス。

 老人の家の周りはほとんど空き家で人家がなかった。遠くからリサーチする三人。老人は獰猛そうなドーベルマンをボディガードにしていた。

 老人が盲目であることを知るアレックス。「そんな人から盗むのか?」と良心を痛めるが、マネーは「眼がみえなければ聖人だとでもいうのか?」と一蹴する。

 決行当日。深夜2時。

 警備の薄い家に侵入する三人。

ネタバレあらすじ

 ある部屋、テレビのモニターがついている。幼い女の子がビデオの中で遊んでいる。老人は傍らで寝ている。ビデオを見ながら寝落ちしてしまったらしい。部屋に侵入したマネーは、持参した催涙ガスを発効させる。

 「ジジイは寝ただろう、これで大丈夫。」と室内を散策する三人。物凄く厳重に鍵をかけた扉を発見する。「ここにあるに違いない。」扉を開けるために、懐から銃を取り出すマネー。驚くアレックスとロッキー。

 「そんなものどこで手に入れた?」「銃なんて撃ったことあるの?」とL利く2人に「大丈夫。今日が俺の銃デビューだ。」と喜ぶが、聡明なアレックスは「銃を持って強盗に入ることの意味がわかるのか?相手に撃たれても文句を言えないってことだぞ?」と言い「僕は降りる。」と出ていこうとする。

 別の扉が開き、老人が出てきた。眠ってはいなかったようだ。「おい。誰だ?」と言う老人。マネーは「、間違って入っちゃったんだ。すぐに出ていく。」ごまかそうとするが、すぐにバレてしまい、威嚇合戦となる。

 老人がめっちゃ強い。マネーの腕をひねりあげ、持っている銃の銃口をマネーの首筋に当てる。「助けてくれ。悪かった。」と観念するマネー。老人に「他に誰かいるのか?」と聞かれ、傍らに立ち尽くしているロッキーを見ながら「ひとりだ。俺ひとりで入ったんだ。」と仲間をかばう。

 発砲。マネーは死んでしまった。

 忍び足で他の部屋のクローゼットに隠れるロッキー。涙目。そこに銃声を聞いたアレックスが戻ってくる。廊下ですれ違うが老人は気づかない。
 玄関や窓など、かたっぱしから錠前をかけて廻る老人。トイレの窓にも板を打ち付ける。外からの侵入を防ぐ目的ではあるが、結果的に、中からも簡単には外には出られなくなった。

 アレックスの携帯のロッキーからメール。「クローゼットにいる。助けて。」連絡をとりあう二人。

 ロッキーが隠れている部屋に隠し金庫があった。操作する老人。ロッキーがクローゼットの中から見ていた。金庫の暗証番号も。

 クローゼットに来るアレックス。二人合流。「通報して全部正直にいえばわかってくれる。おカネはあきらめよう。」と言うが、どうしても大金が欲しいロッキーは、金庫を開け大金をバッグに入れる。「すげー。100万ドルはある。」

 さっさと脱出しようとする二人だが、老人は、二人が脱いでいた靴から、家の中にまだ二人いることを知る。金庫を確認するとおカネが消えている。怒って探し出す老人。

 倉庫に迷いこむ二人。そこで二人が見たのは、さるぐつわをされ縄や拘束具で動けなくされた若い女性だった。生きている。女性は助けを求める。女性はシンディという名で、ジジイの娘の交通事故の加害者だった。裁判によりシンディが無罪となった新聞記事がある。
 
 別の金庫をみつけたアレックスが、元の金庫と同じ暗証番号で開けると、中には鍵の束があった。玄関を含む、各錠前の鍵に違いない。どれがどれかはわからないが。
 二人はシンディを連れて逃げようとする。外に出ようとした時、表からジジイに撃たれ、弾丸はアレックスの耳をかすってシンディに命中。シンディ絶命。

 ジジイは、自分が撃ったのがシンディだと気づき、遺体の前で愕然とする。なぜか「嘘だろ。嘘といってくれ。」と哀しむ。

 逃げる二人。発砲しながら追いかけるジジイ。家の中の電気がすべて落ちた。暗闇となった倉庫内。これで三人とも「見えなくなった」状態での探り合い。アレックスがジジに首を掴まれ、こめかみに銃口を向けられる。絶対絶命。ジジイが道具棚ごとアレックスを引き倒したことで、アレックスは助かり、一階に逃げる。

 玄関の前には獰猛なドーベルマンが唸っていた。犬に追いかけられ二階の部屋へ逃げる二人。タンスで入口をふさぐが、それでは自分たちが部屋から出られない。

 ジジイは、さらにマグナム44を取り出して準備している。

 アレックスは充電の切れた携帯をなんとか充電して、警察に通報しよう提案する。向こうは誘拐と監禁だ、向こうのほうが悪い、おカネはあきらめよう、と。

 ロッキーは通気口に入る。アレックスは部屋に突入してきたドーベルマンに突撃され、ガラス窓を破って外に落下する。気絶。起きたところをジジイに撃たれ、また家の中に逆戻り。

 アレックスとジジイの格闘。「見えてる?」と聞きたくなるくらい、ジジイは機敏で強い。ジジイ、ついにアレックスにとどめを刺した(ように見えた)。

 通気孔の中で倒れていたロッキー。ジジイに部屋の中にひきづり戻される。ボコボコに殴られ首を絞められる。「見えてるよね?」と突っ込みたくなる。ロッキーは気絶。

 ロッキーが眼を覚ますと、シンディが拘束されていた場所で、同じように手足の自由を奪われていた。「娘さんを殺された気持ちはわかる。誰にもいわないから逃がして。」と懇願するロッキーに「なにがわかる。親にならないとわからない。刑務所に行くはずの女が金の力で無罪になったんだ。」と毒づく。

「こんなことをしても娘さんは戻らないよ。」と言うロッキーに「そうともいえない。シンディは私の娘を奪った。代わりに新しい子をもらうはずだった。腹には私の子がいた。お前らが殺したんだ。お前らがこなければ二人とも生きていたんだ。」と言う。ジジイは、シンディに自分に子を産ませようとしていた。シンディには、子供を産んだら無事に解放すると約束していたらしい。ロッキーに「お前が責任をとれ。」という。つまり、シンディに代りにジジイの子供を産めという意味だ。

 アレックスはまだ生きていた。起き上がり、武器を手にする。、

 ジジイは「レイプはしない。シンディにもしてない。」と言い、冷蔵庫から、冷凍保存していた自分の精液を取り出し、ロッキーの膣に注入しようとする。暴れるロッキーだが抵抗できない。

 間一髪、アレックスジジイを殴打。ロッキーを助ける。拘束を解かれたロッキーはジジイをボコボコに殴る。「あんたなんか警察で朽ち果てればいい」と酷いことを言いながら。

 「目的のものは手にいれたろ?はやく出ていけ」というジジイに、アレックスは「口止め料という意味だな。」と解釈する。

 家を出て行こうとしたところを後ろからジジイに撃たれる。今度こそアレックス死亡。ひとりで明るい外に逃げ出すロッキー。家から20メートルくらい離れて少し安心したロッキーを、ドーベルマンが追ってきた。

 一旦は車の中に逃げ込むロッキーだが、外にお金の入ったリュックを置きっぱなしにしたことに気付く。ロッキーは、ドーベルマンをクルマのトランクに閉じ込めることを思いつき、後部座席から挑発する。トランクに入ったドーベルマンだが、シートを破って飛び出してくる。間一髪、外に逃げたロッキーをジジイが殴打。

 ジジイにひきづられて再び家の中に戻されるロッキー。

 死んでいるアレックスに「ごめんね」とつぶやいた彼女の指にテントウムシの幻影が。とっさにリモコンで警報装置を作動させる。警察への通報音を聞いて苦しむジジイ。聴覚がするどすぎて脳に響くのか。

 家にパトカーが近づく音。リュックを背に逃げていくロッキー。

 ===

 翌日、空港にいるロッキー。妹と一緒にカリフォルニア行きの便に乗ろうとしていた。カフェのテレビで事件のニュースが流れる。

 病院に移送されるジジイ。「二人の強盗が押し入り、二人ともすでに死亡」「盗まれたものはない。」と発表されている。

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つまりこういう映画(語りポイント)

 この映画でなにかを語るとすれば「正義とは?」「悪とは?」なんてことになるのですが…。

 前半には、強盗のアレックスとロッキーが悪事に手を染めた原因となる家庭的事情が描かれており、それは当然「ここに感情移入してね。」サイン。つまり、この映画の主役はアレックスとロッキーですよと。老人は敵役のめっちゃ強くて怖いサイコジジイですよと、教えてくれているのです。

 ただ、それはミス・リードで、実はロッキーたちも「単なる悪」であるところが、この映画を面白くした。

 どんな事情があれ強盗なのです。娘の交通事故の示談金で暮らす盲目の老人宅から、おカネを盗もうとしているのです。決して正義ではない。

 かたや老人。確かに、交通事故で娘を失くしたのは可哀想な事情であり、強盗に押し入られて自衛するのも当然の行動。それだけなら正義なのですが、事故の加害者の女を監禁して自分の子供を産ませようとしている監禁犯人なのです。こちらも正義ではない。

 『正義の反対は悪ではない。正義の反対は「別の正義」だ。』と言います。この映画のテーマもそこかな?と思いつつ観はじめたのですが、逆でした。「みんなワル!」なんですよ。

 そうなると、さっきの反対。『悪の反対は正義ではない。悪の反対は「別の悪」だ。』になります。我ながら何言ってるのか良くわかりませんが。

 つまり『悪VS悪』が、この映画の正しい鑑賞法となります。

 もし、ロッキーを良い人間として描こうとするなら、拘束が解かれた後に「このクソジジイ!」などと汚い言葉を吐きながら、盲目の老人をボコボコに殴ったりはさせないです。

 もう確実に、ロッキーたちも悪として描こうとしています。

 実はそこが、この映画を楽しむうえで重要な構図となっていて、正義が、良い人間が報われないとか、ひどい目にあう設定だと、観ている側にストレスがたまるのです。「あんなに良い人がかわいそう。悪ばかりのさばりやがって」となるのですが、この映画はなにせ「みんな悪」なので、誰がどんなひどい目にあっても良いのです。どう転んでも爽快感があるのです。

 自分(正義)には関係ない人(悪)同士の戦い。

 だから、特に興味のない二人が戦う格闘技の試合を見るように「どっちが勝ってもいいけど、どうせならとことん殴り合って面白い試合にしてくれ。」という心境。ハードパンチャー同士がノーガードで殴り合う試合を観た後のように。「あ~疲れた。」「でも面白かった」になる。
 どっちが勝っても良かったのだから、嬉しいとか悔しいの感情もない。ただ「面白かった。」

 変に勧善懲悪にしなかったことが、この映画のポイントであり、勝因なのでしょう。そういう意味では、珍しいタイプの傑作といえるかも知れません。