【映画で語ろう】カムシネマ★3分で語れるようになるポイント【ネタバレあらすじ】

映画を観たなら語りたい。映画の紹介から、ネタバレあらすじ、著者の独断と偏見による「語りポイント」まで。

3分で映画『クリミナル・ミッション』を語れるようになるネタバレあらすじ

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基本データ・おススメ度

『クリミナル・ミッション』
原題:Criminal Activities
2015年 アメリカ
監督:ジャッキー・アール・ヘイリー
出演:ダン・スティーブンス、マイケル・ピット、クリストファー・アボット、ロブ・ブラウン、ジョン・トラボルタ
 おススメ度★★★☆☆(3/5)
 観る人の好みによって評価が極端に別れそう。前半は「パルプ・フィクション」+「レザボア・ドッグス」。タランティーノみたいな映画を撮りたい!というのがハッキリわかる。結末は某・映画のようなドンデン返し。それぞれを面白いと感じるかは、本当に好み次第。個人的には前半〇結末×なのですが、逆に、前半×結末〇という人もいるでしょう。

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◆目次

あらすじ(ネタバレなし)

 交通事故で急逝したマシューの葬儀。同級生たち4人が久しぶりに顔を合わせた。

 葬儀の後、女とのカーセックスを済ませたウォーレン(クリストファー・アボット)がファミレスに行くと、ザック(マイケル・ピット)ブライス(ロブ・ブラウン)が待っていて、昔はいじめられっ子だったノア(ダン・スティーヴンス)も合流。

 ノアが株のインサイダー取引の話を持ち出す。資金も自分が調達するという。株は一dは上昇するが、半年後、その会社の社長が逮捕され株は暴落。元手をすべて失う。
 
 ノアが調達した資金は実はマフィアからの借金だった。四人はマフィアのボス、エディ(ジョン・トラボルタ)に呼び出され、借金をチャラにする交換条件として、麻薬の密売人マルケスを誘拐を持ち掛けられる。実はエディの姪が、敵対組織のボスに誘拐されていて、マルケスの身柄と交換に姪を助けたいという事情だった。

 アマチュアのノアたちは、慣れない犯罪に挑む。レストランでたむろしている麻薬グループ。マルケスをトイレで襲い、誘拐に成功。

 ある貸し倉庫。黒人のマルケスに手錠をかけて縛り付け「行儀よくしてれば24時間後に開放する」と告げるが、悪人としてはプロで口が達者なマルケスは、さまざまな言葉で四人を挑発。彼らが素人であることもすぐに見破る。

 マルケスは、ボスであるフレミングの身内だった。素顔で普通に会話していた四人の名前も憶えたマルケス。「お前ら殺されるぞ。」ビビる四人。

▼▼以下ネタバレ▼▼

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ネタバレあらすじ

 ザックには、頻繁に電話かかかってくる。ザックは、彼女の浮気調査を探偵に依頼している最中で、その経過報告だった。

 ボスのフレミングは「誘拐された甥をみつけた奴に20万ドル払う」としている。

 マルケスと四人の会話劇続く。時にはまるで友達のように一緒に談笑するマルケスは、ひとりひとりに「お金持ちになれるんだぞ、俺を解放しろ。」と取引を持ち掛ける。

 フレミングの部下たちがマルケスを探しまわっている。エディのところにも来るが、エディは「知らない話だ」と、とぼける。

 エディからは時々連絡が来る。マルケスの話ですっかり不安になっている四人は、エディの言う通りにしていて本当に大丈夫かと焦っている。

 ザックの彼女の浮気が確定した。浮気相手と密会している写真を撮ったと連絡があったのだ。ショックを受けるザック。そこでデリカシーのない発言をしたマルケスに逆上し殴り掛かるザックだが、他の連中に止められる。

 その時、マルケスの服から盗聴器がみつかる。「全部中継されてたんだ。」 とさらに焦る四人だが「よく考えろ。誰かが聞いてたらとっくに乗り込んできてるだろ。」となり、盗聴器はマルケスたちの麻薬取引を盗聴するためのもの。盗聴しているのはFBIだと推測。マルケスは「マフィアとFBIの両方に追われるぞ、お前ら」と脅す。

 エディが貸倉庫にやってきた。「姪は無事に戻った。マルケスはもう不要だ。お前ら四人が順番にマルケスに銃弾を撃ち込め。それで終わる。」と言う。

 人殺しを躊躇する四人だが、ウォーレンが引き金を引いた。マルケス絶命。さらに数発の銃声が響く。

 3時間後。マルケスの遺体を海に沈めているボス・フレミング。隣にはノアがいる。ノアは大金を手にしている。

 タネあかし

 六か月前、叔父であるエディに設け話を持ち掛けているのノア。すべて、ノアとエディ、FBI捜査官であるブライスの三人が組んだ儲け話であり、同時に、いじめられっ子だったノアの復讐。

 ノアは、マシューを交通事故に見せかけて殺し、葬儀に集まった同級生に偽の儲け話を持ち掛けた。。

 マルケスはフレミングの甥ではあったがFBIと裏で取引をしていた、組織の裏切り者。ブライスがマルケスが刑事と話している音声をリークする。

 ノアたちは、フレミングからのマルケスの懸賞金を受け取り、エディはマルケスの裏切りをリークしたうえにマルケスを始末した謝礼を受け取る。得た金はノアとエディとブライスで三等分の約束だった。

 おまけ気味に、ノアはザックの彼女を寝取り、自分の彼女にしていた。

つまりこういう映画(語りポイント)

 前半は「パルプ・フィクション」+「レザボア・ドッグス」。タランティーノみたいな映画を撮りたい!というのがハッキリわかる。

 タランティーノのような映画…を目指して、大抵の人が失敗するのが「ふざけかたのセンス」。あの独特の感覚を出せずに単なるヴァイオレンスになっちゃうのが大半ですが僕は、この映画、そのあたりがセンスはかなり巧いと思います。

 意味のないような会話劇や、本筋とは関係ないエピソードが面白く、冒頭のナレーション入りの流れも「ツカミOK!」「これはきっと面白いぞ♪」と期待しました。

 同級生の葬儀なのに「あとで飲みに行こう」とメッセージを送りあってるとか、車の中で女とカーセックスしてるとか、故人をしのびながらも、残った人間にはそれぞれの日常があり欲望もあり、という描写がリアルで笑える。

 素人の誘拐団に対して、さらわれたほうが度胸の据わったプロで、縛られながら四人をどんどん不安にさせていく構図や、時折、まるで友達のようになって一緒に笑ってるとか、「俺はバニラ買ってきて」というアイスクリームのくだりなど、ふざけかたのセンスが良い。

 トラボルタの子分役(監督さんらしい)の子供の頃のエピソード。その昔に助けてくれた黒人の友達が、今、目の前で縛られている男だった。というくだりも、本編とはまったく関係のない話なのに、面白いし、監督がこの映画でやりたい事がハッキリわかって好感が持てる。

 ただ、僕が絶賛する前半も、観る人によっては「退屈」なのでしょう。その意見もわかります。本当に好み次第。

 同じく好み次第で、「ユージュアル・サスペクツ」的なドンデン返しの結末は、僕は逆にダメでした。「あーそっち系か」と食傷気味なのですね。それもまた「面白い!」という人もいるわけで。 僕の好みでは、ドンデン返しなどいらないから「素人たちの誘拐劇」のまま進んでくれたほうが、きっと良かった。

 そして、本物のタランティーノなら、きっと、そのネタを映画の中盤から見せると思います。そのうえで計画が破綻する方向へ持っていくのではないでしょうか。それによって観客は「うまく世渡りしようとした奴が失敗するカタルシス」を味わえるのです。この映画は、悪い奴の計画がうまくいって終わっちゃうから後味が悪いのです。カタルシスがない、「ふ~ん」「あーそうかい」なのです。いじめっこたちを「悪」として、彼らがギャフンと言う部分でカタルシスとしているのでしょうが、それじゃちょっと弱い。

 ともあれ、クライム系が好きな人であれば、それなりに楽しめる映画。ところで、トラボルタは決して主演ではないのだけど、ポスターではど真ん中にいる。ちょっと映画のイメージとは違います。その辺は集客的に仕方ないところか…、

▼ご存じ「パルプ・フィクション」

cinema.kamuin.com